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セイドレイ【完結】
第53章 落日

「...失礼します」
部屋に入ると、PCデスクに向かう慎二の大きな背中が見える。
「今夜もまだ...お仕事ですか?」
「...うん」
慎二は現在、出所後に独学で身につけたプログラミング技術を活かして、主にクラウドソーシングサイト経由で仕事を受注していた。
すなわち、肩書きはフリーランスのプログラマーということになる。
基本的に、1日中こうしてPCと睨み合っている。
社交性に乏しい彼にとって、このスタンスは落ち着くのだろう。
亜美は詳しい内情を知らないが、そこそこ儲けているらしい。
その証拠に、慎二は毎月家計の足しにと亜美にお金を渡していた。
これは亜美がそうするように慎二を促したのではなく、慎二が自主的に行っていることである。
同居させてもらっている負い目もあるのだろう。
「...あ、亜美...そういえばさ...」
慎二はそう言い、引き出しの中から何やら白い箱を2つ取り出す。
「...慎二さん、これは...?」
「iPadだよ。朝日と陽気の入学祝いに...。前にあいつらが欲しがってたの聞いたからさ...」
「あの子達がそんなことを?知らなかった...すいません...でもこんな高価なもの...本当にいいんですか...?」
「う、うん...大した値段じゃないし。だから2人に渡しておいて」
「...でもこれは、慎二さんから直接あの子達に渡してあげてください。その方がきっと...喜びますから...」
「...え、えぇ?.なんかそういうの俺、苦手だし...」
「絶対、その方があの子達は嬉しいはずです。渡すついでに使い方も教えてあげてもらえると...助かります」
「そ、そっかな?...じゃあ、明日学校から帰って来たら...渡すよ」
朝日と陽気は、慎二が使用するPCやタブレット端末に興味津々だった。
普段、子供達から『慎二おじちゃん』と呼ばれて慕われている今の彼からは、かつて陵辱者だった頃の面影は感じられない。
「...慎二さん」
「ん...?」
「ありがとうございます」
「...い、いいよ、別にそんなかしこまらなくても...」
「まだ今日は遅くまでお仕事されます?」
「う、うん...そのつもりだけど...」
「...じゃあ、私何かお夜食作って来ますね。ちょっと待っててください」
「あ、ありがとう...」
部屋に入ると、PCデスクに向かう慎二の大きな背中が見える。
「今夜もまだ...お仕事ですか?」
「...うん」
慎二は現在、出所後に独学で身につけたプログラミング技術を活かして、主にクラウドソーシングサイト経由で仕事を受注していた。
すなわち、肩書きはフリーランスのプログラマーということになる。
基本的に、1日中こうしてPCと睨み合っている。
社交性に乏しい彼にとって、このスタンスは落ち着くのだろう。
亜美は詳しい内情を知らないが、そこそこ儲けているらしい。
その証拠に、慎二は毎月家計の足しにと亜美にお金を渡していた。
これは亜美がそうするように慎二を促したのではなく、慎二が自主的に行っていることである。
同居させてもらっている負い目もあるのだろう。
「...あ、亜美...そういえばさ...」
慎二はそう言い、引き出しの中から何やら白い箱を2つ取り出す。
「...慎二さん、これは...?」
「iPadだよ。朝日と陽気の入学祝いに...。前にあいつらが欲しがってたの聞いたからさ...」
「あの子達がそんなことを?知らなかった...すいません...でもこんな高価なもの...本当にいいんですか...?」
「う、うん...大した値段じゃないし。だから2人に渡しておいて」
「...でもこれは、慎二さんから直接あの子達に渡してあげてください。その方がきっと...喜びますから...」
「...え、えぇ?.なんかそういうの俺、苦手だし...」
「絶対、その方があの子達は嬉しいはずです。渡すついでに使い方も教えてあげてもらえると...助かります」
「そ、そっかな?...じゃあ、明日学校から帰って来たら...渡すよ」
朝日と陽気は、慎二が使用するPCやタブレット端末に興味津々だった。
普段、子供達から『慎二おじちゃん』と呼ばれて慕われている今の彼からは、かつて陵辱者だった頃の面影は感じられない。
「...慎二さん」
「ん...?」
「ありがとうございます」
「...い、いいよ、別にそんなかしこまらなくても...」
「まだ今日は遅くまでお仕事されます?」
「う、うん...そのつもりだけど...」
「...じゃあ、私何かお夜食作って来ますね。ちょっと待っててください」
「あ、ありがとう...」

