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セイドレイ【完結】
第53章 落日

ダイニングテーブルで、焦げた焼きおにぎりを頬張る慎二。
「...あの~、不味かったら全然...残していいですからね...?」
「ん?全然っ...そんなことないよ!めっちゃうまいから...ちょ、ちょっと焦げ過ぎてるくらいの方が焼きおにぎりは良いんだよね...あ、食べ終わったら洗い物はしとくから、亜美は先に寝てていいよ...?」
「...あ、大丈夫です...。私はまだちょっとやることがあって。子供達の教科書や持ち物に名前書いたりするのがまだ途中で...しかもうちは二人分だし...」
「そ、そうなんだ...。大変だね、お母さんて...」
そう言う割には、慎二の正面に座ったまま一向に動こうとしない亜美。
どこか心ここにあらずと言った様子だ。
「亜美...さ。もしかして...親父のこと...考えてる?」
「.....え?」
「い、いやその...俺の気のせいならいいんだけど...」
「...そうですね。考えてます。特に最近は、毎日...ふとした時に考え出すと、ついつい...」
「...大丈夫だよ。きっと親父も納得してくれるさ。ていうかむしろ、納得しないなんておかしいだろ?俺達、本当なら亜美に殺されてもいいんだから。それをこんな風に...いや、本当なら亜美の言葉に甘えてちゃダメなんだけど...ごめん」
「い、いえ...私が望んだことなので別に...いいんですけど。ただ、お父様の性格を考えた時に...今の私達を受け入れてくれるか不安で...」
「どっ、どうして亜美がそんなことで悩まなきゃいけないんだよ!?俺達親子はさ、亜美には一生頭が上がらないし、一生かけて償っていかなきゃいけないんだからっ...それでも全然足りないくらいのことをしちゃったんだから...」
「慎二さん...」
「あ、兄貴はどう思ってるか知らないよ?亜美の夫になれて浮かれてるだけかもしんないけど...でも、いくら亜美が受け入れてくれたからって、絶対にっ...絶対に忘れちゃいけないことなんだ。だからっ...親父がもし亜美の気持ちを無下にするなら、俺が絶対、許さないからっ...」
「...ありがとうございます」
「そ、そんな...やめてよ。...だってわざわざ親父のために、この家リノベーションする時も和室用意したんだし...そんな、そんなことまでして貰ってるのにさ...」
「...あの~、不味かったら全然...残していいですからね...?」
「ん?全然っ...そんなことないよ!めっちゃうまいから...ちょ、ちょっと焦げ過ぎてるくらいの方が焼きおにぎりは良いんだよね...あ、食べ終わったら洗い物はしとくから、亜美は先に寝てていいよ...?」
「...あ、大丈夫です...。私はまだちょっとやることがあって。子供達の教科書や持ち物に名前書いたりするのがまだ途中で...しかもうちは二人分だし...」
「そ、そうなんだ...。大変だね、お母さんて...」
そう言う割には、慎二の正面に座ったまま一向に動こうとしない亜美。
どこか心ここにあらずと言った様子だ。
「亜美...さ。もしかして...親父のこと...考えてる?」
「.....え?」
「い、いやその...俺の気のせいならいいんだけど...」
「...そうですね。考えてます。特に最近は、毎日...ふとした時に考え出すと、ついつい...」
「...大丈夫だよ。きっと親父も納得してくれるさ。ていうかむしろ、納得しないなんておかしいだろ?俺達、本当なら亜美に殺されてもいいんだから。それをこんな風に...いや、本当なら亜美の言葉に甘えてちゃダメなんだけど...ごめん」
「い、いえ...私が望んだことなので別に...いいんですけど。ただ、お父様の性格を考えた時に...今の私達を受け入れてくれるか不安で...」
「どっ、どうして亜美がそんなことで悩まなきゃいけないんだよ!?俺達親子はさ、亜美には一生頭が上がらないし、一生かけて償っていかなきゃいけないんだからっ...それでも全然足りないくらいのことをしちゃったんだから...」
「慎二さん...」
「あ、兄貴はどう思ってるか知らないよ?亜美の夫になれて浮かれてるだけかもしんないけど...でも、いくら亜美が受け入れてくれたからって、絶対にっ...絶対に忘れちゃいけないことなんだ。だからっ...親父がもし亜美の気持ちを無下にするなら、俺が絶対、許さないからっ...」
「...ありがとうございます」
「そ、そんな...やめてよ。...だってわざわざ親父のために、この家リノベーションする時も和室用意したんだし...そんな、そんなことまでして貰ってるのにさ...」

