この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第53章 落日
今日、亜美が面接を受けるのは、自宅から車で15分程の距離にある民間の児童発達支援事業所である。
支援員の募集が出ており、履歴書を送付したら是非面接をしたいとの返信があったのだ。

雇用形態はパートタイマーで、週2~4の勤務。
時給はさほど良くは無いが、亜美が学んで来た資格を活かせる職種であることと、通勤が楽であるということが、子育てをしながら働こうとしている亜美にとっては魅力だった。

現在、亜美が無理して働かなければならない程、家計が困窮している訳では無い。
両親、それからトメの遺産を相続しただけでなく、犯罪被害者となったことで起訴後に加害者らから支払われた示談金もある。
家こそ購入したが、中古物件ということもあり新築を購入するよりは費用を抑えることができた。
それに加え、健一からは毎月の給料の全額を渡されているし、慎二からも生活費をもらっている。

それでも亜美が働きに出る理由とは。
亜美は、今持っている資格の更に上位資格を目指しており、その為にはこのような事業所での経験年数が資格取得の要件であるということがまず理由のひとつとして挙げられる。

また、双子の息子にはこれから金がかかる上、教育費などが全て同時期に発生する。何かにつけ、2倍なのだ。
そんな2人の将来を考えればお金があるに越したことは無い為、微力ながらも家計に貢献したいとの思いもあった。

そして何よりも、亜美自身が社会に進出してみたいとの意志を持っていた。
このまま家の中で主婦業を全うするのも幸せなことだが、まだ亜美は21歳。
若いうちにしか経験できないこともあるだろう。

(それに...私は...)

日中、一人で家の中に居ると、どうしようも無いあの『疼き』と『渇き』が度々亜美を襲うのだ。

その度に、仕事中の慎二に慰みものになってもらう訳にもいかないことから、亜美は自身が働きに出ることで、この悶々とした気持ちを少しは逸らせるのでは無いかと考えていた。

(...これじゃ、昔と立場が逆転しちゃってる。あの頃は私が求めなくても...。あぁ、ダメダメ。これから面接なのに、また私余計なこと考えてる。集中しなきゃ...)

そうこうしていると、亜美が運転する車は事業所に辿り着いた。
面接は社長室で行うことになっている。

(緊張してきた...)

亜美は車から降り、事業所内に入って行った。
/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ