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セイドレイ【完結】
第53章 落日

コンコン、と亜美は社長室のドアをノックする。
『どうぞ。お入りください』
中から面接官である男の声がする。
社長室で行われるということで、社長も同席しているのだろうか。
(...あぁ緊張する...失礼の無いようにしなきゃ...)
亜美は呼吸を整えドアノブに手をかけると、社長室に入った。
「...失礼します」
緊張のあまり、うつむき加減で入室した亜美は、ドアを閉める為一旦面接官に背を向ける。
そして亜美は振り返ると、緊張で締まる喉から振り絞った声で自己紹介をする。
「...い、市川亜美と申し.......えっ...?」
亜美はそう言いかけて、その場に硬直する。
こじんまりとした社長室。
亜美の正面には、社長席に座り、顔の前で手を組む男が1人。
「...自己紹介も満足にできん奴など、普通なら不採用だがな。ふっ。まぁ無理もない。今回限りは大目に見てやろうじゃあないか。なぁ?高崎...おっと、今は『市川亜美』さん...だったなぁ?」
「あっ...あっ.......どう...して.....あなたがっ.......」
亜美が驚愕の表情で見つめる視線の先に居た男ーー。
それは、かつてあの地下室で亜美が相手をしていた会員のうちの1人だった。
亜美は後ずさりし、咄嗟に部屋を出ていこうとするものの、近づいて来た男に腕を掴まれてしまう。
「...まぁ、そう焦らさんな。せっかく来たんだろう?ゆっくりしていきなさい」
「やっ...ヤメテ.....」
一刻も早くここから逃げなければと思っているのに。
大声をあげれば誰かが助けに来てくれるかもしれないのに。
亜美のカラダは強ばるばかりで、何もできなかった。
「...儂も最初はびっくりしたがな。履歴書の写真を見て一目でお前と分かったよ。苗字が変わっていたのは意外だったが...どうせそのカラダでどっかの男でも垂らしこんだんだろう?ん?お前はそれしか脳の無い売女だったからなぁ...?どうなんだ?んん??」
「違っ.....ヤメテ...」
「何が違うんだ?けっ、まぁ所詮、女房を働きに出させる程度の男だ、ろくなもんじゃ無いだろう。女を外に出すとどういうことになるか、思い知らせてやらんといかんなぁ?ぐふっ、ぐふふふふ...」
男は卑劣な笑いを浮かべ、社長室の鍵を掛けた。
『どうぞ。お入りください』
中から面接官である男の声がする。
社長室で行われるということで、社長も同席しているのだろうか。
(...あぁ緊張する...失礼の無いようにしなきゃ...)
亜美は呼吸を整えドアノブに手をかけると、社長室に入った。
「...失礼します」
緊張のあまり、うつむき加減で入室した亜美は、ドアを閉める為一旦面接官に背を向ける。
そして亜美は振り返ると、緊張で締まる喉から振り絞った声で自己紹介をする。
「...い、市川亜美と申し.......えっ...?」
亜美はそう言いかけて、その場に硬直する。
こじんまりとした社長室。
亜美の正面には、社長席に座り、顔の前で手を組む男が1人。
「...自己紹介も満足にできん奴など、普通なら不採用だがな。ふっ。まぁ無理もない。今回限りは大目に見てやろうじゃあないか。なぁ?高崎...おっと、今は『市川亜美』さん...だったなぁ?」
「あっ...あっ.......どう...して.....あなたがっ.......」
亜美が驚愕の表情で見つめる視線の先に居た男ーー。
それは、かつてあの地下室で亜美が相手をしていた会員のうちの1人だった。
亜美は後ずさりし、咄嗟に部屋を出ていこうとするものの、近づいて来た男に腕を掴まれてしまう。
「...まぁ、そう焦らさんな。せっかく来たんだろう?ゆっくりしていきなさい」
「やっ...ヤメテ.....」
一刻も早くここから逃げなければと思っているのに。
大声をあげれば誰かが助けに来てくれるかもしれないのに。
亜美のカラダは強ばるばかりで、何もできなかった。
「...儂も最初はびっくりしたがな。履歴書の写真を見て一目でお前と分かったよ。苗字が変わっていたのは意外だったが...どうせそのカラダでどっかの男でも垂らしこんだんだろう?ん?お前はそれしか脳の無い売女だったからなぁ...?どうなんだ?んん??」
「違っ.....ヤメテ...」
「何が違うんだ?けっ、まぁ所詮、女房を働きに出させる程度の男だ、ろくなもんじゃ無いだろう。女を外に出すとどういうことになるか、思い知らせてやらんといかんなぁ?ぐふっ、ぐふふふふ...」
男は卑劣な笑いを浮かべ、社長室の鍵を掛けた。

