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セイドレイ【完結】
第53章 落日
大川勲(いさお)というこの男。
会員の中では、ケチでクレーマー気質として有名だった。
いつも難癖を付けては、亜美に奉仕を要求していたあの男だ。

この大川は、買春ビジネスの運営に携わっていなかった只の会員らと同様、起訴こそされたものの実刑は免れている。

「...何故儂がこんなところで社長をやっているのかと思っとるだろう?だがな、これはお前の落ち度だ。...ぐふっ、面接を受ける会社のことをよう調べもせんと、儂を恨むんじゃないぞ?」

一般的にこのような事業所は、母体となる株式会社によって運営されている。
児童発達支援の他、老人介護やデイサービスなど、複数の事業所を持っていることが多い。

もちろん亜美も求人に応募する際、この事業所のウェブサイトには一通り目を通した...つもりだった。
くまなくサイトをチェックすれば、恐らくどこかに母体となる株式会社名と、その代表としてこの大川勲の名があったはずだ。

しかし、基本的に利用者向けに制作されたそのサイトは、事業内容や施設案内を強調した作りになっており、サイトの隅に小さく書かれたこの男の名前を見落としていたのだ。

いや、仮に見ていたとしても、気づかなかったかもしれない。
何せあれから約6年の歳月が流れている。
代表である大川の顔写真でも載っていれば話は別だが、ただテキストで書かれたその名前にピンと来なくても仕方の無いことだろう。

「...お前には世話になったからなぁ。儂はあの事件のせいで何もかもを失った。だが、人脈というものを侮ってはいかんぞ?捨てる神あれば拾う神あり。たとえただのお飾りだとしても、まだ儂に社長を名乗らせてくれる場所が世の中にはあるんだ。股を開くしか脳の無かったお前には分からんかもしれんがなぁ...?あぁ!?」

大川は、亜美の耳元にそんな言葉を浴びせながら、ひとつに結んだ亜美の髪の毛を引っ張る。

「痛っ.....ヤメテ.....お願い...しますっ.....」

「...ぐふっ!それが面接を受けに来た態度とはなぁ?...あれからもう何年経ったか?相変わらず色目を振り撒いて生きとるのが目に見えるぞぉ?このアバズレめ。なぁに、そんなに怖がらんでも、今日は社長の儂が直々に面接してやると言ってるんだ。...始めるぞ」
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