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セイドレイ【完結】
第9章 盟友
「性奴隷」に仕立て上げる──。
そのことを、武田家の男たちがどのように捉えていたかは分からない。
しかし、雅彦はひとつだけ思い描いていた野望があった。
それは、亜美を一度 "妊娠" させること──。
肉体的な陵辱による支配だけでなく、亜美の女としての尊厳を根こそぎ奪うことで、精神的な支配下に置けると考えた。
そこで一番合理的かつ効果的なのが、レイプによる妊娠、そして──。
雅彦は自身が産科医であることを最大限に利用し、亜美を毒牙にかけたのだった。
そしてここまでは、ほぼ雅彦の計画通りに進んでいるといえよう。
事故で両親を亡くすという不幸に見舞われた少女、亜美。
それだけでもあまりある絶望だというのに、そこへ手を差し伸べてくれたかに思えた雅彦に無理矢理処女を散らされた挙句、絶え間ない陵辱のすえついに妊娠までしてしまった。
しかしそれは終わりなどでは決してなく、ほんの "余興" に過ぎなかったということ。
これからは、「会員」と称する外道たちを相手に、さらなる陵辱のかぎりを尽くされる。
亜美の本当の絶望は、むしろここからスタートするのだ。
雅彦は、亜美がその苦痛に歪む顔を、恐怖に怯える顔を、そしてなにもかもを失った絶望にひれ伏す顔を──それを、たとえモニター越しにでもいいから、見てみたいと思った。
金に困っていたのは事実だが、あくまでそれはこの「仕組み」と、新堂との「共犯関係」を作るために必要だったからであり、正直二の次であった。
雅彦のあくなき欲望と美学が生み出したこの恐ろしい計画は、今地獄の淵で微かに息をしている15歳の少女を、さらに地獄の底へと突き落とすためのものだったのだ。
たったそれだけのために、雅彦は亜美の引き取り手になり、息子や新堂までをも巻き込み、専用の地下室まで造ったのである。