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セイドレイ【完結】
第2章 いつもの夜
すると、ホッとしていたのもつかの間──。
廊下から亜美の部屋に向かって、何者かの足音が近づいてくる。
(えっ…うそっ…?気づかれた?!イヤ…やだよっ……)
その足音は、亜美の部屋の前でピタりと止まった。
すかさず亜美は腰掛けていたベッドから立ち上がり、固唾を飲んで部屋のドアを見つめる。
カラダに緊張が走り、無意識に防御の姿勢を取る。
しばしの沈黙を挟み、部屋のドアが「ギィ」と音を立て、外側から開けられた。
ドアの向こうには、この家の次男──。
慎二が寝癖だらけの頭で、そこに立っていた。
「あっ、亜美っ…!おかえりぃっ…ハァッ…ハァッ……」
鼻息荒く、耳にまとわりつくような気味の悪い声で慎二が言う。
しかし亜美は次の瞬間、慎二の顔ではなく下半身に目を奪われる。
「きゃっ…!」
短い悲鳴にも似た声が漏れ、亜美は咄嗟に手で口を押さえる。
「へへっ……亜美が帰ってくる音が聞こえただけでこんなんなっちゃったよぉぉ……ハァッ…ハァッ……」
驚くことに、慎二は下半身を露出していた。
股間にぶら下げた、だらしなく皮の被った巨根。
それを右手で扱きながら、少しずつ亜美に近寄ってくる。
("また…今日も始まるんだ…──")