この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第53章 落日
帰宅し、家事を済ませ、子供達が寝たのを確認すると、亜美はシャワーを浴びて寝室へと向かう。

「...あれ?」

いつもならベッドの上で寝転んでいる健一の姿が無い。

「...慎二さんのとこかな?」

そう思い、慎二の部屋を覗いてみるも、そこには健一だけでなく慎二も居なかった。

「おかしいな...2人ともどこに...」

するとその時、1階から何やら言い争う声が聞こえてくる。

(...もしかして、お父様っ?)

亜美は慌てて1階に下り、声のする和室へ向かった。
ふすまの前で気づかれないよう、亜美はそっと聞き耳を立てる。

『...いい加減素直になれっつってんだよ!亜美が可哀想だろっ!?』

部屋の中でそう声を張り上げているのは、健一だった。
となると、恐らく慎二もここに居るのだろう。


『...可哀想?どの口がそんなことを言えるんだ。お前、塀の中で一体何を反省したんだ?こんな馬鹿げた話があるものか。『あの女』に接見するだけでなく、夫になっただと?冗談にも程がある。世界中、どこを探せばそんなおかしな家族が居るんだ。ワシらはあの事件の加害者、そして『あの女』は被害者なんだぞ!?』

(お父様.....)

あの女ーー。
最早、名前すら呼んでもらえないのかと、亜美は急に胸が締め付けられるような感覚に襲われる。

『...だからっ、それは亜美の望みを叶えるために...俺だって最初はビビったさ。だけど、こうすることがせめてもの償いだって...大体、おかしな家族って言うけど、そもそもそんなおかしなことしようとしてたのは親父じゃねぇか!?自分のこと棚に上げて俺らのこと...ましてや亜美のことを責めるなんておかしいだろ!?』

『ま、まぁ...2人とも、もうちょい落ち着いて...子供達が起きちゃうとまずいからさ...。ね?』

口論がヒートアップする2人を、慎二がなだめるといった構図なのだろうか。

『...とにかくだ。ワシはここで世話になるつもりは無い。それが償いだと思うのなら、お前らで勝手にやっていればいい話だ。せいぜいあの女に見捨てられんように怯えながら暮らすがいい。生憎、行き先が見つかったんでな。明日ここを出ていく。4日世話になった分の金は置いていく。だからもう二度とワシに関わるな。あの女にもそう言っておけ』

(そ、そんなっ.....お父様、待って...?)
/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ