この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第53章 落日
『お、おい...待てよ!?行き先って...他に頼れるとこなんて無いだろ?俺達、家族なんだよな...?そこを差し置いて他に何があるって言うんだよ.....なぁ親父、考え直してくれよ...せっかく...せっかく亜美がここまでしてくれたって言うのに...』

先程までの怒鳴り声から一変、健一は声を震わせていた。

『...もういい。ならば今から出て行く。そもそも、たとえ数日でもここに居座ってしまったワシがいかんのだ。あのまま消えてしまうべきだった。...世話になったな。ワシのことは忘れてくれ。では、もう二度と会うことは無いだろうが、達者でな』

『親父っ...』



そして、ふすまが開けられた。

「...おっ...父様っ.....」

亜美と雅彦が鉢合わせる。

ほんの一瞬、目が合った。

しかしすぐさま、雅彦は目を逸らした。


「...すまん。そこをどいてくれ」

「...あ、あのっ...私...」

「聞こえないのか?...そこをどきなさい」

「い、嫌っ...です」

「.......どけと言ってるのが分からんか」

「...どきません」

そんな亜美の行動に、雅彦は大きく溜め息をつく。
張り詰めた2人の空気に、健一と慎二はうろたえていた。


「...今夜、一晩だけ」

「...何がだ?」

「一晩だけでいいから、私と一緒に居てください」

「...何をするつもりだ?」

「.........つづき」

「...ん?」

「まだ終わって無いんです。私の中では何も」

「...........」

「だから一晩だけ。そしたら後は、お父様の行きたいところへ行ってください」

「.....本当に一晩だけでいいんだな?」

「.....はい」

「...分かった。好きにしろ」

「...ありがとう...ございます」



こうして、6年ぶりに再会を果たした2人は、4日目にしてついに向き合うこととなった。

月明かりが綺麗な、とても静かな夜だったーー。
/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ