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セイドレイ【完結】
第53章 落日
これは、遺伝子を残さんとするヒトとしての本能なのだろうか。
はたまた、煩悩に塗れた人としての業の深さか。

もしかしたら、その両方かもしれない。

長年、生気を失っていた雅彦の肉棒に血が通っている。
腫れ上がった亀頭は自ら包皮を剥き、その赤黒い頭を半分だけ覗かせている。
竿に青く浮き出た太い血管は、まさに怒張という形容そのもの。
それはビクンビクンと何度も反り返り、鼓動の高鳴りに脈動するかの如く、腹を叩いていた。

亜美はそれを、涙を浮かべながら恍惚の表情で見蕩れる。
この6年もの間、ずっと渇望していたモノが今目の前にあるのだ。

一人の女の人生を破壊した凶器が、いま一度牙を剥く。

雅彦は、充分に濡れそぼった膣口を一気に貫いた。


「...ぁ...ぁああああああっっ!!あはぅっ...!あ゛っ...あああああんっっ!!!!」

悲鳴にも似た喘ぎ声と共に、亜美はすぐさま絶頂を迎える。

「ぉ...とぉっ...さまっ.....あああっ.....おっきぃ.....かたいのっ.....おとぉさまのっ.....ずっとっ...ほし...か、ったの...ぉんっっ...ああんっ...」

雅彦と繋がっていると思うだけで、何度でも昇天してしまえるような気がした。

そんなよがり狂う亜美を黙らせるかのように、雅彦は右手で亜美の首を掴む。

雅彦の無骨な太い腕が、亜美の頸動脈を圧迫する。

「あ゛がっ...!?...がっ.....!」

窒息の反動で亜美の膣は収縮し、雅彦の肉棒を締め付ける。

「お゛ど...う゛.....ざっ.......ぁ.......」

絞首の苦痛に歪む亜美の顔。
しかしその表情は、どこか幸福で満たされているようにも見えた。

憎む程に愛した男に首を絞められ、命までをもその手中に収められていると思うと、亜美はこれ以上無いほどの官能に包まれる。

酸欠によって四肢が痺れ、意識が朦朧としてくる。
あと少しで窒息するという、その時。

雅彦は掴んでいた手を離し、むせて咳き込む亜美の口をキスで塞ぐと、獰猛な腰付きで激しいピストンを繰り出した。

窒息からの解放と同時に、膣肉を抉られる乱暴な快感が亜美を襲う。

「...あああんっっ!あっあっあっあ...ぁああああああっっっ!!お父様ぁぁぁ.....っ、壊してっ...もっとぉ.....ぁぁああっ!!ああんっっ!!!!」
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