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セイドレイ【完結】
第53章 落日
亜美はその身に雅彦の重力を浴びながら、子宮に注がれる精液の脈動に酔いしれる。

とどまる気配の無い長い射精。
雅彦は天を仰ぎ、脳天を直撃するような射精の快感に唸り声を上げる。

やがて2人の呼吸が静かに、ひとつに収束して行く。
2人は繋がったまま、その劇的な余韻に浸っていた。

「ハァッ...ハァッ.....ぉとぉ...さまぁ.....」

何故こんなにも狂おしい程にこの男を欲してしまうのか。
他の男とは一体何が違うのか。
その理由を探すように、亜美は汗ばんだ雅彦の首筋にそっと手を伸ばす。

この4日、風呂に入っていない雅彦のカラダからは汗と共に強烈な雄臭が放たれ、亜美を惑わせていた。
もうずっと白衣に袖を通していない雅彦。
そのカラダに染み付いていた消毒液の匂いは消え失せているはずなのに、今にもそれが甦って来るようだった。

雅彦は最後の一滴まで絞り出すと、亜美の腰を下ろして正常位の姿勢を取る。
亜美は雅彦を見つめながら、じきに引き抜かれてしまうであろう肉棒を名残惜しく思っていた。

ところがーー。

「...お父様.....?うそっ.....どうしてっ...?」

たった今射精を終えたはずなのに、雅彦の肉棒は萎えるどころか、その硬さと大きさを維持したままだった。
過去の雅彦には見られないその現象に亜美は戸惑いつつも、同時にこれ以上無い胸の高鳴りを感じていた。

雅彦は再び、ゆっくりと腰を動かし始める。
射精直後で敏感になった亀頭に、膣壁の轟きが乱暴に絡みつく。

雅彦は歯を食いしばり、気がおかしくなってしまいそうな肉棒への刺激に必死で耐え忍ぶ。
そして徐々にピストンを早めると、亜美に覆いかぶさり、その首の付け根を噛み始めた。

「いっ......あああっ!!ああっ...ぉとぉ...さまっ.....すきっ...もっと.....痛くしてっ.....んっ...あんっ.....イクッ...またイッちゃ.....ああああっ!!」

雅彦は、亜美の肉を強く噛み続けた。
自分のモノなのだというしるしを。
お互いの愛憎の証を。
その真っ白なカラダに、紅く刻みつけたかった。

亜美もそれを望むかのように、雅彦の背中に腕を回し、必死にしがみつく。

交互に訪れる痛みと快感は、まさに愛と憎しみを象徴しているかのようだった。
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