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セイドレイ【完結】
第53章 落日

『お』
『もしかしてご本人登場的な??』
亜美がトークルームに参加した途端、それに気づいた何者かがそんなメッセージを投稿する。
現在、このトークルームに居るのは亜美を除き、4名。
その内1名は木下であることから、他3名は亜美の全く知らない誰かだ。
恐らく、木下の知り合いなのだろうと亜美は推測する。
亜美の参加を機に、チャット形式でのやり取りが開始された。
『ども』
『木下の友人です(笑)』
『やべー興奮してきた(笑)』
『マジであの少女Aなん??』
(やっぱり...例の話だ...)
すると、遅れて木下もトークに参加する。
『市川さーん』
『やっと入ってくれましたねw』
『遅いから無視されたんかと』
『あ、こいつら俺のツレですー』
『おまえらちゃんと挨拶しろしww』
文字のやり取りというのは、顔が見えないだけに気持ちを推し量るのが難しい。
木下は恐らく今仕事中であるはずなのだが、一体どんな顔をしてこんなメッセージを寄越しているのだろうか。
続々と、他の連中もトークに参加してくる。
目まぐるしい勢いでスクロールされていく画面を、亜美は困惑した表情で眺めていた。
『僕は木下さんの後輩です』
『あ、ちなみに童貞です』
『先輩の言うことには逆らえないんで参加しましたw』
『亜美さんの1個下なんですけど、年下でも大丈夫すか??』
『いやいや』
『便器に年関係ねーだろw』
『男ならなんでもいーんですもんね??』
『てか、そろそろなんか言ってくださいよー』
『俺らだけで喋ってても意味ないじゃないすかーw』
亜美はあらためて思い知る。
自分が想像するよりもずっと多くの人間に『セイドレイ』での動画が見られていた、ということを。
きっと木下をはじめとするこの男達も、既にあれらの動画で亜美の痴態を知っているのだ。
顔も名前も知らない相手に、あられもない姿を見られているという奇妙な感覚。
そして、もうひとつ気になることがあった。
木下の知人ということは、恐らく亜美と同世代には違いない。
亜美がこれまで相手にしてきた男達は、もっと上の世代が多かったのだが、それにしてもーー。
(この人達は...自分達が今から何をしようとしてるのか、分かってるのかしら...?)
あたかも遊び感覚でいるようなこの男達の『軽さ』に、亜美は恐怖以前に違和感を覚えたのだった。
『もしかしてご本人登場的な??』
亜美がトークルームに参加した途端、それに気づいた何者かがそんなメッセージを投稿する。
現在、このトークルームに居るのは亜美を除き、4名。
その内1名は木下であることから、他3名は亜美の全く知らない誰かだ。
恐らく、木下の知り合いなのだろうと亜美は推測する。
亜美の参加を機に、チャット形式でのやり取りが開始された。
『ども』
『木下の友人です(笑)』
『やべー興奮してきた(笑)』
『マジであの少女Aなん??』
(やっぱり...例の話だ...)
すると、遅れて木下もトークに参加する。
『市川さーん』
『やっと入ってくれましたねw』
『遅いから無視されたんかと』
『あ、こいつら俺のツレですー』
『おまえらちゃんと挨拶しろしww』
文字のやり取りというのは、顔が見えないだけに気持ちを推し量るのが難しい。
木下は恐らく今仕事中であるはずなのだが、一体どんな顔をしてこんなメッセージを寄越しているのだろうか。
続々と、他の連中もトークに参加してくる。
目まぐるしい勢いでスクロールされていく画面を、亜美は困惑した表情で眺めていた。
『僕は木下さんの後輩です』
『あ、ちなみに童貞です』
『先輩の言うことには逆らえないんで参加しましたw』
『亜美さんの1個下なんですけど、年下でも大丈夫すか??』
『いやいや』
『便器に年関係ねーだろw』
『男ならなんでもいーんですもんね??』
『てか、そろそろなんか言ってくださいよー』
『俺らだけで喋ってても意味ないじゃないすかーw』
亜美はあらためて思い知る。
自分が想像するよりもずっと多くの人間に『セイドレイ』での動画が見られていた、ということを。
きっと木下をはじめとするこの男達も、既にあれらの動画で亜美の痴態を知っているのだ。
顔も名前も知らない相手に、あられもない姿を見られているという奇妙な感覚。
そして、もうひとつ気になることがあった。
木下の知人ということは、恐らく亜美と同世代には違いない。
亜美がこれまで相手にしてきた男達は、もっと上の世代が多かったのだが、それにしてもーー。
(この人達は...自分達が今から何をしようとしてるのか、分かってるのかしら...?)
あたかも遊び感覚でいるようなこの男達の『軽さ』に、亜美は恐怖以前に違和感を覚えたのだった。

