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セイドレイ【完結】
第53章 落日
その後、亜美は帰宅する。
玄関のドアを開ける音に気づいた健一が、駆け足でやって来る。

「...ママ...おかえり。遅かったね...連絡無かったから心配した...」

「ごっ...ごめんなさい。ついつい話し込んじゃって...」

時計の針は22時30分を回ったところだった。

「またあの男?この前の木下とか言う...」

「う、ううん。今日は.....パートさん...達。みんな子持ちだから、そういう話とかで盛り上がっちゃって...子育てとか私より大先輩だし...それで...」

「...そっか。ならいいんだけど。今朝、亜美が俺に話があるって言ってたから、起きて待ってたんだ。慎二からも少し聞いたけど...」

「あっ、そう...でした。そう、お父様のことで...す、すいません!ちょっと先にシャワー浴びてもいいですか??すぐ終わらせるので...」

「.....うん。分かった」

2人が玄関でそんな会話をしていると、廊下からこちらへ向かう足音が聞こえて来る。

雅彦だった。

「亜美.....ちょっといいか」

「お、お父様っ?す、すいません...遅くなってしまって...どうされました?」

「すまんが...今からワシの部屋に来てくれ」

そう言った雅彦に、ムッとした健一が食ってかかる。

「お...おい、親父!今から俺は亜美と大事な話があんだよ。それに今から亜美はシャワー浴びるんだから。用があるならその後にしてくれよ。...大体、早速『ワシの部屋』とか言いやがって。図々しいんだよ親父は!さ、亜美。さっさとシャワー浴びちゃえよ」

「...で、でも...」

「いーから...!親父のワガママに付き合ってやる必要なんてねぇんだから」

「...では、ワシと一緒に風呂に入るか?」

「...え?」

「ちょっ...おいっ!親父っ!人の話聞いてんのか!?」

「...分かりました。お部屋に伺います。...健一さん、ごめんなさい。お話はまた...明日にでも...」

「そんな...ママっ...」

亜美と雅彦が連れ立って和室へと消えて行く。
健一は悔しさを滲ませ、そんな2人の後ろ姿を見ていた。

「(やっぱり俺じゃ......親父に文句言ってやりてぇけど、余命宣告されてるなんて言われたら...畜生!俺の気持ちも少しは分かってくれよっ...)」
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