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セイドレイ【完結】
第53章 落日
奇しくも、酒井を自宅に上げることになった亜美。

時間的に、そろそろ慎二が起きて来る頃だ。
雅彦は和室からほとんど出てくることは無いが、知られると面倒なことになる。

というのも、酒井らは亜美が現在、健一や慎二と同居していることは知っていても、雅彦までもがこの家に住んでいることを知らないのだ。

加害者の会と称して、かつての会員達が今も繋がっていることを考えると、雅彦の存在はできるだけ隠しておきたい。

(だって...もしこの先.....)

亜美がとある懸念を抱くのを余所に、酒井はズカズカと家に上がって来る。

「...へぇ、まぁまぁいいとこ住んでんじゃねぇか。肉便器御殿ってとこか?なぁ、子供部屋はどこだ?2階か?」

「...え?」

「...連れてけよ。そこでブチ込んでやっから」

「.....はぃ」

亜美は気が進まないまま、2階にある子供部屋に酒井を案内すると、そっと部屋の扉を閉めた。

「...二段ベッド...そっか。ガキは双子だもんなぁ。ていうか、俺の子の可能性もあるんだよなぁ...なんだか感慨深いぜ」

室内をぐるりと見渡し、酒井がそんなことをボヤく。
こんな男の言うことなど真に受ける必要など無いのだが、それは紛れもない事実でもあった。
愛する2人の息子は、この粗暴な男の血を引いているかもしれないのである。

「...正直、母親としてはどーなんだよ。ほら、よく言うじゃねぇか。誰の子か分かる、とかって...」

「...考えたくありません。それより...手短にお願いします...」

「おいおい、あんだけ渋っといて今度はさっさとしろってか?まぁそう言うなって。せっかく『俺の息子』の部屋に来たんだ...ちょっとくらい感傷に浸らせてくれてもいいだろ?」

「ち、ちょっと...やめてください!あなたの息子なんてことっ...そんなこと...」

そんなことは無い。
そう言えたら、どんなに良かっただろうか。

と同時に、では一体誰の子なら良かったと言うのだ、と亜美は自問自答する。

「...ま、今はうまくやってんだろーが、時間の問題だぜ。あんな悪党共の誰かの血を引いてるのは確実だからなぁ。そんで母親がお前だろ?せいぜい性教育だけは誤らんようにな」

「あなたにっ...そんなこと...言われなくても分かってます...」
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