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セイドレイ【完結】
第53章 落日
亜美の肛門は、ついに酒井の肉棒の根元を捕らえた。

「あぁぁっ.....熱いっ...ぉしりっ.....あがっ.....ぅぅッ.....」

想像を絶する圧迫感が直腸を襲う。
苦痛に顔を歪める亜美の口元からは、唾液が垂れ流しになる。

酒井がゆっくりと腰を引くと、浅黒い肉竿には僅かに鮮血が付着していた。

「...あーあー...切れちまったかぁ?鈍ってる証拠だなぁ。昔のお前ならこんくらい朝メシ前だっただろっ...!おおんっ!?」

「がっ!?...がはぁっ...!!うぅぅぅ.....うっ...ゴメッ...んなさっ.....」

ズン、と重い一突きで、再び酒井の肉棒がズッポリと嵌め込まれた。その苦痛で、亜美は吐き気を催す程だった。
すかさず酒井は、徐々にピストンを早めながら亜美の背中に覆い被さると、亜美の口に指を突っ込み、口内をこねくり回す。

酒井の太い指が、瞬く間に亜美の唾液塗れになる。
そして酒井は亜美の耳元に顔を寄せると、こう囁いた。

「...お前...もう妊娠してたりしねぇよな?ん?」

「うぅ.....まだっ...分かっ...りま...せんっ.....うぅぅぅっ...」

「...そうかぁ...ならもうちょい様子見て、検査してみるか...」

亜美は、雅彦の出所を待つ間、健一と慎二には、膣への挿入を一切許していない。
これは、雅彦の子を身ごもりたいという、亜美の異常とも言える執着のためであり、健一と慎二もそれを了承していた。

しかし、出所を待たずして大川と再会し、木下らをはじめとする会社連中による例のホテルでの乱交等、今日までに妊娠してしまっている可能性は十分にあった。
もちろん、それは雅彦の子であることも考えられるのだがーー。


「...もし出来てたら、堕ろせ」

「えっ...?」

亜美は、酒井の言葉に耳を疑った。
この時ばかりは一瞬、肛門を貫く痛みさえ忘れてしまう程に。

「え...?じゃねぇよ。当たり前だろ?俺の子じゃねぇんだから。...それから、これからしばらくはピルでも飲んで避妊しろ。いいな?」

(どういう...ことっ...?)

亜美は、酒井の言葉の真意を図りかねる。
堕胎を命じられ、避妊を促されるなど、過去に覚えが無い。
そうするべきであるか否かという問題では無く、酒井がそれを要求してくる意図が、どことなく不自然に感じられたからだ。
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