この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第53章 落日
先程から、枕元に置いてあるスマホのバイブが鳴り続けている。
恐らく、木下ら『セイドレイの会』のトークルームが騒がしいのだろう。

今は到底、そんなものを見る気にならなかった亜美は、電源を切ってしまおうとスマホに手を伸ばす。

その時ーー。

「...え?」

偶然、スマホに電話がかかってくる。


『水野くん』


そう表示された発信元を見て、亜美は動揺する。

事件後、貴之とは一度だけ会い、その際お互いの連絡先を交換した。
その後は年に数回、忘れた頃にメッセージのやり取りをする関係に留まっており、電話がかかってくることなど無かったのだ。

(よりによってこんな日に...)

亜美はそう思うも、貴之との間の悪さは今に始まったことではない。
逃れられない運命をこんなところにも感じた亜美は、気がつくと通話ボタンを指でタップしていた。


『...あ、出た!もしもし?亜美?俺だけど...』

懐かしい声がスマホから聞こえてくる。

『...突然電話してごめんな。さっきメッセージ送ったんだけど、既読にならなかったからちょっと気になって...今大丈夫か?』

「...う、うん。ごめんなさい...メッセージ気づかなくて...」

『そっかそっか!なら良いんだけど...ていうか久しぶりだよな。声聞くのなんて何年ぶり?...あ、てかさ。電話したのは...そろそろ『アレ』が届いてるんじゃないか、って思って...そのー...』

「...あ、うん!今朝、届いたよ...。ご結婚、おめでとうございます。あと、私なんか招待してくれて...本当にありがとう...」

亜美は、自身の愛液で塗れた招待状を、ぎゅっと握り締める。

『あ、無事届いてたか!良かったー。そうそう、俺もついにさ...もう入籍は済ませてるんだけど。そんで後...来年には子供も生まれる予定なんだ。俺なんかが父親になるなんてまだ想像もつかねーけど...』

「そっ...そうなんだっ?じゃあ、おめでたいこと尽くしだね...水野くんならきっと...ううん、絶対良いパパになるよ。私が保証する。...って、私なんかが言うのも変な話だけど...」

『いやいや、結婚も子育ても、亜美は大先輩だからな。そう言ってもらえると心強いよ』

貴之は一応のところ、亜美のその後の状況を知っている一人だ。
/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ