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セイドレイ【完結】
第53章 落日

亜美は、拘束を解かれ自由になった両腕を広げる。
そして、優しい眼差しでその男を見つめると、こう言った。
「…シンちゃん。ママのところにおいで…?」
「わっ…わぁ……ママだっ…!ママが居るっ…僕のママっ…!!」
男は、感動にも似た声をあげ、両腕を広げて待ち構える亜美の胸へと飛び込む。
如何にも、メタボ体型でキモオタクの風貌をしたその男を亜美は抱擁すると、ごくごく自然なことかのようにそっと頭を撫で、あやした。
「…よしよーし。シンちゃん、イイコイイコ…」
その余りの違和感の無さに、野次を飛ばしていた男達が急に静まり返り、思わず2人に見入ってしまう。
あの事件の性質や、『セイドレイ』に公開された動画のせいで、亜美にはどうしても被虐的なイメージを持つ者が多い。
今日ここへ集まった男達も、またかつての会員達も、そのほとんどが亜美を性処理の玩具のように扱うことを好んでいたのは確かだ。
しかし、例えば健一のように、亜美の本質であるこの『母性』を察知し、強く惹かれていた男達も実は少なからず居たのだ。
陵辱的な動画に紛れて、このような幼児退行を見せる会員の姿を収めた動画もいくつか存在しており、その趣向を持つ者から熱烈な支持を得ていた。
亜美を玩具として蔑む者も、母親のように崇める者も、対極のように思えて実は根本的には同じ性質である。
どちらも、『何もかも受け入れてくれる』という、男にとってどこまでも都合の良いこの母性の前に絆されていたのだ。
そしてこのことを冷静に見抜いていたのが、楓だったと言えよう。
それまでの退廃的な空気から一変、倉庫内が謎の多幸感に包まれる。
男達には、それがどこか懐かしいものに映ったのかもしれない。
置き忘れて来た記憶、しかし誰もが通って来た記憶を、亜美を通して射影しているようだった。
男は目を瞑り、亜美の豊満な胸に顔を埋め、夢中で左の乳首を吸いながら、右の乳房を揉む。
そんな男を見つめる亜美の表情は、先程までの狂喜を孕んだものとは別人のように、慈愛に満ちた穏やかなものに見えた。
「…んはっ……ママぁ…ぼくっ…ちんちん……くるちい……ちんちん痛いよぉ……」
「…ん?ちんちん痛い?…じゃあママにシンちゃんのおちんちん見せて…?」
「…う、うんっ!」
そして、優しい眼差しでその男を見つめると、こう言った。
「…シンちゃん。ママのところにおいで…?」
「わっ…わぁ……ママだっ…!ママが居るっ…僕のママっ…!!」
男は、感動にも似た声をあげ、両腕を広げて待ち構える亜美の胸へと飛び込む。
如何にも、メタボ体型でキモオタクの風貌をしたその男を亜美は抱擁すると、ごくごく自然なことかのようにそっと頭を撫で、あやした。
「…よしよーし。シンちゃん、イイコイイコ…」
その余りの違和感の無さに、野次を飛ばしていた男達が急に静まり返り、思わず2人に見入ってしまう。
あの事件の性質や、『セイドレイ』に公開された動画のせいで、亜美にはどうしても被虐的なイメージを持つ者が多い。
今日ここへ集まった男達も、またかつての会員達も、そのほとんどが亜美を性処理の玩具のように扱うことを好んでいたのは確かだ。
しかし、例えば健一のように、亜美の本質であるこの『母性』を察知し、強く惹かれていた男達も実は少なからず居たのだ。
陵辱的な動画に紛れて、このような幼児退行を見せる会員の姿を収めた動画もいくつか存在しており、その趣向を持つ者から熱烈な支持を得ていた。
亜美を玩具として蔑む者も、母親のように崇める者も、対極のように思えて実は根本的には同じ性質である。
どちらも、『何もかも受け入れてくれる』という、男にとってどこまでも都合の良いこの母性の前に絆されていたのだ。
そしてこのことを冷静に見抜いていたのが、楓だったと言えよう。
それまでの退廃的な空気から一変、倉庫内が謎の多幸感に包まれる。
男達には、それがどこか懐かしいものに映ったのかもしれない。
置き忘れて来た記憶、しかし誰もが通って来た記憶を、亜美を通して射影しているようだった。
男は目を瞑り、亜美の豊満な胸に顔を埋め、夢中で左の乳首を吸いながら、右の乳房を揉む。
そんな男を見つめる亜美の表情は、先程までの狂喜を孕んだものとは別人のように、慈愛に満ちた穏やかなものに見えた。
「…んはっ……ママぁ…ぼくっ…ちんちん……くるちい……ちんちん痛いよぉ……」
「…ん?ちんちん痛い?…じゃあママにシンちゃんのおちんちん見せて…?」
「…う、うんっ!」

