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セイドレイ【完結】
第53章 落日

「…これで……もう………ワシの……役目も……終わった、な……」
「嫌っ…ダメっ……お父様っ……私…私っ……お父様を独りにさせないなんて言ったけど……違うのっ…本当は、自分が独りになるのが怖かったのっ……」
「……………………」
「だからっ…私を独りにしないで…?お願いっ…私を置いて行かないでっ…?」
「…………あ…………亜…美………」
「…何っ?お父様っ…?」
「………………………すまな……かった、」
「…お父様………?」
「……ねぇ、お父様?」
「起きて…?目を覚まして…?」
「ねぇ、ねぇってばっ……?」
「……………………そっか、」
亜美は唐突に、動かなくなった雅彦のズボンのホックを外し、股間をまさぐる。
そして、トランクスの中から雅彦のペニスを取り出した。
「………ほら、よかった…。まだこんなにあったかい…」
白髪混じりの陰毛の茂みに、だらしなく皮の被った、黒くふてぶてしい雅彦の肉棒が鎮座している。
亜美の処女膜を破瓜した、忌むべき象徴。
もう二度と硬く膨らむことのないそれをーー、亜美は愛でるように頬ずりをする。
「…お父様?今日は大丈夫ですか…?」
亜美はそう言うと、何の躊躇いもなく肉棒を口に含んだ。
「…んっ…んんっ…んはぁっ……おいちぃ……」
その萎えた肉棒に、ありったけの舌技で奉仕をする亜美。
雅彦に叩き込まれた、どんな男をも虜にしてきたその極上のフェラチオ。
しかしそれを以てしても、雅彦のペニスが膨張することは……もう、無い。
「んふっ……おとぅさまぁ…きもちいい…?」
「……もう…私じゃ……ダメ…なの……?」
「……ねぇっ…お父様っ…返事してっ……」
「……私をっ……壊してよ…………………」
亜美は肩を震わせ、嗚咽を漏らした。
まだほんのり温もりの残る、雅彦の肉棒を手に。
廃屋に悼ましく響くその声は、罪深き男への鎮魂歌か、それともーー。
小窓から、西の空に沈む夕陽が差し込み、2人を照らす。
陽は昇り、落ちるように、人もまたそれを繰り返す。
ただ、それだけのことだ。
武田雅彦、享年66歳。
壊すほどに愛した女の腕の中、永遠の眠りにつく。
「嫌っ…ダメっ……お父様っ……私…私っ……お父様を独りにさせないなんて言ったけど……違うのっ…本当は、自分が独りになるのが怖かったのっ……」
「……………………」
「だからっ…私を独りにしないで…?お願いっ…私を置いて行かないでっ…?」
「…………あ…………亜…美………」
「…何っ?お父様っ…?」
「………………………すまな……かった、」
「…お父様………?」
「……ねぇ、お父様?」
「起きて…?目を覚まして…?」
「ねぇ、ねぇってばっ……?」
「……………………そっか、」
亜美は唐突に、動かなくなった雅彦のズボンのホックを外し、股間をまさぐる。
そして、トランクスの中から雅彦のペニスを取り出した。
「………ほら、よかった…。まだこんなにあったかい…」
白髪混じりの陰毛の茂みに、だらしなく皮の被った、黒くふてぶてしい雅彦の肉棒が鎮座している。
亜美の処女膜を破瓜した、忌むべき象徴。
もう二度と硬く膨らむことのないそれをーー、亜美は愛でるように頬ずりをする。
「…お父様?今日は大丈夫ですか…?」
亜美はそう言うと、何の躊躇いもなく肉棒を口に含んだ。
「…んっ…んんっ…んはぁっ……おいちぃ……」
その萎えた肉棒に、ありったけの舌技で奉仕をする亜美。
雅彦に叩き込まれた、どんな男をも虜にしてきたその極上のフェラチオ。
しかしそれを以てしても、雅彦のペニスが膨張することは……もう、無い。
「んふっ……おとぅさまぁ…きもちいい…?」
「……もう…私じゃ……ダメ…なの……?」
「……ねぇっ…お父様っ…返事してっ……」
「……私をっ……壊してよ…………………」
亜美は肩を震わせ、嗚咽を漏らした。
まだほんのり温もりの残る、雅彦の肉棒を手に。
廃屋に悼ましく響くその声は、罪深き男への鎮魂歌か、それともーー。
小窓から、西の空に沈む夕陽が差し込み、2人を照らす。
陽は昇り、落ちるように、人もまたそれを繰り返す。
ただ、それだけのことだ。
武田雅彦、享年66歳。
壊すほどに愛した女の腕の中、永遠の眠りにつく。

