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セイドレイ【完結】
第54章 最終章:夢のあと
『ジャーッ』

隣の個室から流水音を聴いた慎二は、ホッと胸を撫で下ろす。

「(やっと…終わった……)」

慎二は男の足音が消えるのを待って個室から外へ出た。
そして、亜美が居る個室を恐る恐る覗く。

亜美は、大きく開脚した状態で便座に座り、うなだれていた。

汗や小便で滲んだカラダ中の落書きが、その惨たらしさを一層際立たせる。
髪は濡れてボサボサに乱れ、亜美の表情を窺い知ることは出来ない。

こんもりと腫れ上がったワレメからは、ザーメンの白塊が。
そして、毒々しい花を咲かせた肛門は、今さっき注がれたばかりの小便を、プシュ、プシュ…と音を立てて排出していた。

慎二は思う。
もう何百回と見てきたような光景なのに。
あの頃と全く違って見える気がするのは何故なのだろう、と。
自分が変わったからなのか。
それとも。

しかしこれで終わりではない。
慎二には、まだ仕事が残っている。

慎二はズボンのポケットからスマホを取り出すと、その様子を写真に収めた。
カシャ、というカメラのシャッター音が、深夜の肌寒いトイレ内にもの哀しく響く。
この写真は、結果報告としてこの後SNSに投稿する為のものだ。
だから、亜美の顔は見えていない方が都合が良い。
そしてこれを見た男達が、またここへ『吐き出し』にやってくる。

そんなことをほぼ毎週末、もう2ヶ月も亜美は続けている。

「……亜美、終わったよ」

慎二はいつもこの瞬間、亜美に何と声を掛けていいのか迷う。
健一はいつもどうしているのか。
そんなことを考えながら、冷えてしまった亜美のカラダにそっとコートを掛けた。

こんなことに、何の意味があるというのか。
今日ここへ来た男達は、また明日からも、ろくでもない人生を送るだけなのに。
むしろ、そのろくでもなさに拍車を掛けてしまうだけかもしれないのに…。

あの男達はかつての自分であると、慎二は思う。
今ならそれがどんなに愚かなことであるか分かるのに。
どうしてあの時はそれが分からなかったのだろうか、と。


亜美はゆっくりと顔を上げる。
その表情はまるで嘘かのように、普段の亜美に戻っていた。

「あ、亜美…?大丈夫っ……?」

「…はい。大丈夫です。今日もありがとうございます。慎二さん、私……」

「…どっ、どうしたの??」

「…ちょっと、お腹空いちゃいました。何か買って帰りません?」
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