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セイドレイ【完結】
第54章 最終章:夢のあと
季節は移り変わり、冬。
厳しい寒さの中にも陽だまりが暖かく感じられるような晴れの日に、亜美は純白のウェディングドレスに身を包んでいた。
「…えっーと………どうでしょう…か?」
亜美は少し恥じらいながら、既に衣装に着替え終えた健一にそう訊ねる。
「…どーもこーも……めちゃくちゃ似合ってる……」
健一は、そのあまりの美しさに、思わずため息を漏らす。
「…なんか、照れくさいですね。朝日、陽気…ママきれい?」
「うん。ママかわいい。おひめさまみたい」
「あのやつ、あれみたいなやつー。かぼちゃのくるまの…」
「しんでれら?」
「それ!ママしんでれらみたい!あ、あさひー、しんでれらって10回いってみて?」
「ちげーよそれしゃんでりあっていうやつだし!しゃんでりあしゃんでりあしゃんでりあしゃんでりあ…」
「…こーら。あんまり騒がないのー。ふふ。そっか。ママ、シンデレラになっちゃったんだ」
「おっきくなったらママとけっこんしてあげる!」
「わぁ。ほんとにー?でも朝日は好き嫌い多いからな~。どうしようかな~」
「ママはぼくのおよめさんになるの?」
「はは…陽気、それをママに聞いちゃうの?そうだねぇ。…2人ともありがと。うれしいな。でもママにはパパがいるから。ね、パパ?」
「う……うん……」
「…健一さん?どうかしたの…?」
「いっ、いや……ついつい、見蕩れちゃって…」
「…ありがとう。健一さんも素敵ですよ、すごく」
健一はこの日、雅彦の眼鏡を掛けていた。
雅彦の死後、形見として持っていたそれのレンズのみを交換したのだ。
(お父様に…そっくり…)
亜美も、健一のその姿に実はこっそりと見蕩れていた。
今日はこれから撮影に入る。
プランを決めてから撮影日までは約2ヶ月程待った。
亜美は当初フォトウェディングと聞いて、てっきり記念撮影くらいに思っていたのだが、実際には衣装選びやロケーション等も含め、まるで結婚式さながら。
衣装替えプランも検討したが、身重であることや拘束時間が長くなるため、子供達が飽きてしまうことなども考慮し、洋装一択とした。
(まさか…私がウェディングドレスを着る日が来るなんて…あの頃からしたら夢にも思わなかったな…)
厳しい寒さの中にも陽だまりが暖かく感じられるような晴れの日に、亜美は純白のウェディングドレスに身を包んでいた。
「…えっーと………どうでしょう…か?」
亜美は少し恥じらいながら、既に衣装に着替え終えた健一にそう訊ねる。
「…どーもこーも……めちゃくちゃ似合ってる……」
健一は、そのあまりの美しさに、思わずため息を漏らす。
「…なんか、照れくさいですね。朝日、陽気…ママきれい?」
「うん。ママかわいい。おひめさまみたい」
「あのやつ、あれみたいなやつー。かぼちゃのくるまの…」
「しんでれら?」
「それ!ママしんでれらみたい!あ、あさひー、しんでれらって10回いってみて?」
「ちげーよそれしゃんでりあっていうやつだし!しゃんでりあしゃんでりあしゃんでりあしゃんでりあ…」
「…こーら。あんまり騒がないのー。ふふ。そっか。ママ、シンデレラになっちゃったんだ」
「おっきくなったらママとけっこんしてあげる!」
「わぁ。ほんとにー?でも朝日は好き嫌い多いからな~。どうしようかな~」
「ママはぼくのおよめさんになるの?」
「はは…陽気、それをママに聞いちゃうの?そうだねぇ。…2人ともありがと。うれしいな。でもママにはパパがいるから。ね、パパ?」
「う……うん……」
「…健一さん?どうかしたの…?」
「いっ、いや……ついつい、見蕩れちゃって…」
「…ありがとう。健一さんも素敵ですよ、すごく」
健一はこの日、雅彦の眼鏡を掛けていた。
雅彦の死後、形見として持っていたそれのレンズのみを交換したのだ。
(お父様に…そっくり…)
亜美も、健一のその姿に実はこっそりと見蕩れていた。
今日はこれから撮影に入る。
プランを決めてから撮影日までは約2ヶ月程待った。
亜美は当初フォトウェディングと聞いて、てっきり記念撮影くらいに思っていたのだが、実際には衣装選びやロケーション等も含め、まるで結婚式さながら。
衣装替えプランも検討したが、身重であることや拘束時間が長くなるため、子供達が飽きてしまうことなども考慮し、洋装一択とした。
(まさか…私がウェディングドレスを着る日が来るなんて…あの頃からしたら夢にも思わなかったな…)