この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第54章 最終章:夢のあと
「…ただいまー。ふぅ、ちょっと遅くなっちゃった」
帰宅した慎二がそう言いながら、何やら両手に袋をぶら下げている。
「…おかえりなさい。慎二さんその袋…何買ってきたの…?」
亜美は、その袋を不思議そうに見つめていた。
「あ、うん…ちょっとね、今日はお祝いに、と思って」
「お祝い…?」
「そそ。さて…と。…どうぞー!入っていいよー!」
慎二は唐突に、リビングのドアに向かってそう声を掛ける。
(えっ…?誰か…居るのっ…?)
亜美はドアの方を振り向く。
すると、そこに立っていたのはーー。
「…よ、よぉ、高崎。あ、今は市川だったな。こりゃ失礼」
「あああ亜美ちゃんっ!!おっおっおじゃましますっ…!」
本山と田中。
あの事件に関与した加害者の2人がそこに居た。
「…せっ先生っ!?それから田中さんもっ…!?どうしてっ…!??」
亜美は2人の姿に、身を乗り出して驚く。
「…驚かしちまって申し訳ない。詳しい話は後だ。とにかくまずは…」
本山がそう言うと、2人はリビングの床に土下座の姿勢を取る。
「…高崎っ!本当にっ…本当に申し訳なかったっ!!どれだけ謝っても許されないのは分かっているっ!だがせめてっ…直接頭を下げさせてくれっ……」
「先…生……」
「ぼぼぼ僕もっ…!!本当にっ…ごっごごごめんなさいぃっ!!本当にっ…本当にぃっっ…」
「田中…さん……」
2人はずっと頭を下げたまま、身を震わせ泣いている。
亜美はそんな姿を、しばらく無言で見つめていた。
その様子を見守る健一と慎二は互いに目配せをしながら、同じことを考えていた。
やはり、せめて " 事前に確認 " すべきではなかったのか、とーー。
「……お二人とも、顔を上げてください」
亜美のその声に、本山と田中はピクリと肩をすくめる。
リビング内に緊張が走る。
そこに居る男全員が、亜美が次に喋る言葉を待ち構えている。
「ふぅ…」
亜美は短いため息をつくと、まだ頭を下げたままの2人に近づく。
「…子供が寝ていますから、あまり大きい声は出さないで」
そして続ける。
「…ところで今日は、お祝いなんですよね?じゃあ土下座はおかしくないですか…?」
『えっ…?』
2人が同時に頭を上げ、亜美を見上げる。
「…先生、田中さん。お久しぶりです。お元気でしたか?」
帰宅した慎二がそう言いながら、何やら両手に袋をぶら下げている。
「…おかえりなさい。慎二さんその袋…何買ってきたの…?」
亜美は、その袋を不思議そうに見つめていた。
「あ、うん…ちょっとね、今日はお祝いに、と思って」
「お祝い…?」
「そそ。さて…と。…どうぞー!入っていいよー!」
慎二は唐突に、リビングのドアに向かってそう声を掛ける。
(えっ…?誰か…居るのっ…?)
亜美はドアの方を振り向く。
すると、そこに立っていたのはーー。
「…よ、よぉ、高崎。あ、今は市川だったな。こりゃ失礼」
「あああ亜美ちゃんっ!!おっおっおじゃましますっ…!」
本山と田中。
あの事件に関与した加害者の2人がそこに居た。
「…せっ先生っ!?それから田中さんもっ…!?どうしてっ…!??」
亜美は2人の姿に、身を乗り出して驚く。
「…驚かしちまって申し訳ない。詳しい話は後だ。とにかくまずは…」
本山がそう言うと、2人はリビングの床に土下座の姿勢を取る。
「…高崎っ!本当にっ…本当に申し訳なかったっ!!どれだけ謝っても許されないのは分かっているっ!だがせめてっ…直接頭を下げさせてくれっ……」
「先…生……」
「ぼぼぼ僕もっ…!!本当にっ…ごっごごごめんなさいぃっ!!本当にっ…本当にぃっっ…」
「田中…さん……」
2人はずっと頭を下げたまま、身を震わせ泣いている。
亜美はそんな姿を、しばらく無言で見つめていた。
その様子を見守る健一と慎二は互いに目配せをしながら、同じことを考えていた。
やはり、せめて " 事前に確認 " すべきではなかったのか、とーー。
「……お二人とも、顔を上げてください」
亜美のその声に、本山と田中はピクリと肩をすくめる。
リビング内に緊張が走る。
そこに居る男全員が、亜美が次に喋る言葉を待ち構えている。
「ふぅ…」
亜美は短いため息をつくと、まだ頭を下げたままの2人に近づく。
「…子供が寝ていますから、あまり大きい声は出さないで」
そして続ける。
「…ところで今日は、お祝いなんですよね?じゃあ土下座はおかしくないですか…?」
『えっ…?』
2人が同時に頭を上げ、亜美を見上げる。
「…先生、田中さん。お久しぶりです。お元気でしたか?」