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セイドレイ【完結】
第54章 最終章:夢のあと
まるで女神の御加護に触れたかのようだった。
気がつけば、そこに居る男は皆、目に涙を浮かべていた。

「…ちょ、ちょっと…皆さん、なんで泣くの…?そんな子供みたいに…もぉ。…子育てしてるとね、息子が今にも泣き出す、っていう瞬間が分かるの。あの時のどうしようもない顔。…ふふ。その顔を見るとね、さっきまで叱ってたはずなのに…余計に愛おしくなる。そっか、この子には私しかいないんだな、って…ついつい、どこまでも甘やかしたくなる。でも…それじゃいけない。あの子達は私のモノではないから。だからいつか…『クソババア死ね!』って言われるのが楽しみなんです。特に朝日は怪しいなぁ…。実際言われたらショックで寝込んじゃうかもしれないけど…あはは」

「…ウッ……あ、あいつらがママにそんなこと言ったら…ぜってー俺が許さないからな…」

涙を拭いながら健一が言う。
そんな健一に穏やかな眼差しを向ける亜美。

「…ありがとう。その時は慰めてね、パパ。…って、あれ?何の話してたんでしたっけ?ま、いっか。…とにかく!皆さんは大の大人なんですから、泣いたって私は甘やかしたりしませんよ?ふふ。さーほら、泣きやんで!せっかく…今日はお祝いじゃなかったの?慎二さん、その袋…何か買って来てくれたんですよね?」

「…え?あ…うん…一応、きょ、今日が亜美と兄貴の…結婚式?っていうか、まぁ写真撮った記念、ってことで、ケーキとかおつまみとかお酒とかいろいろ…」

「わぁ…!ケーキ…って、もっと早く言ってくださいよ!保冷剤溶けちゃう…なら余計に早速…みんなでお祝いしましょうか」

その時ーー。

「ちょ、ちょっと待ってくれっ!それじゃあまりに…また俺達は高崎に救われただけになっちまう…!」

「そっ…そうですっっ!せめて何か…これから僕達にできることはないのかなっ…?」

本山と田中の2人がそう食い下がる。

「…うーん。できること、か…。あ、それならお2人とも…『ボランティア』なんてどうでしょうか?」

『ボッ、ボランティア??』

突拍子もない亜美の言葉に、2人は声を揃えて驚く。

「ええ。せっかくそういう気持ちがあるなら…何か『世の為人の為』になることを。素敵だと思いません?じゃあ、そうしましょう!この話は以上です。さ、早く始めましょ?生クリーム溶けちゃう!」
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