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セイドレイ【完結】
第11章 部外者

「もし仮にこれがお前だとして、どうして優等生のお前がこんな気色の悪い男に股を開く必要があるのか気になってなぁ。まさか彼氏じゃないよなぁ?」


"それは私ではありません、言いがかりです"

"私である証拠はあるんですか"

"そんなものを生徒に見せるなんて、先生は一体なにを考えているんですか"


──そんなふうに、亜美は心の中で必死に言い訳を唱えてみるも、どんな言葉をもってしても言い逃れは厳しいように思えた。

背筋が凍る。

静かな体育倉庫で、亜美はドクンドクンと速くなる自らの鼓動だけを聴いていた。
呼吸は乱れ、うまく息を吐くことすらままならない。
次第に手足は痺れ、意識が遠のいていくような感覚に襲われる。

そんな亜美に追い討ちをかけるように、本山はスマホを操作すると、今度は違う画面を見せてきた。



「これはヤバい!『ご主人様の赤ちゃん欲しいの…』モノホン現役JK15才のパイパンマ〇コで妊娠確実種付けプレス!」



(なん…なの…?これ…────)


亜美が目にしたそれは、動画に付けられたタイトルらしき文字。
ただでさえ混乱しているうえに、そこに書かれている意味も、どうしてそんなタイトルが付けられているのかさえ、亜美には分からなかった。

「よくあるんだよな、こういうの。『現役JK』とか言いながらほとんどはそうじゃないんだが…。まぁでも、乳がでかかったし?口コミ評価もめちゃくちゃ良かったんで、試しにダウンロードしてみた、ってわけよ。そしたら──」

どうやら本山が見ていたのは、ネットでは有名なアダルト動画投稿サイトのようだ。
このサイトは主に素人によって日々膨大な量の猥褻動画が投稿され、それらを無料で閲覧または有料コンテンツとして販売することができる仕組みになっている。

このサイト最大の "売り" は、なんと言ってもその違法性の高さ。
海外にサーバーを置くことで日本の法律が適用されないのをいいことに、いわゆる "無修正動画" の巣窟となっていた。

そんな、言わばネット上の無法地帯に、亜美と慎二のセックス動画がなぜかアップロードされてしまったのである。

「──どっかで見たことある顔だなぁ?って思ってな。最初は先生も驚いたんだが」

次に本山が開いた画面には、亜美の動画を "購入した者たち" が、その評価と口コミを書き込んだものが表示されていた。
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