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セイドレイ【完結】
第11章 部外者
「この動画、ずーっとランキング1位なんだぞ。評価もほとんど☆5つだし。これ、投稿したやつ相当儲けてるだろうなぁ」
『女の子が超カワイくてヤバいです!』
『ダウンロードしてからもう何回抜いたか分かりません(笑)次も期待しています!』
『男がキモいwwそれ抜きにしたら最高www』
『マジモンのJKだったとしたら投稿主裏山』
『ロリ顔巨乳とか神だろ』
『ふぅ…』
『とにかく女の子が可愛いです。最高にヌケます。』
『ぐぅシコ。シコい。シコリティ高すぎ。』
そうした賞賛コメントの嵐が、どれだけ画面をスクロールしようとも次々と表示される。
「ほら、みんなお前でちんちんシコってるみたいだぞ。先生も何度ヌいたか分からん!…でまぁ、見た目からしてお前だと思ったんだが、この投稿者のハンドルネームを見た時にな…?」
本山がその動画投稿者のハンドルネームを指差す。
『aminogosyujinsama』
「これ『アミノゴシュジンサマ』だろ?そんでもう確信したってわけよ」
通常のネットリテラシーがあれば、このように個人を特定されかねない表記は控えるのが普通である。
そもそも、顔が認識できる無修正動画をアップしている時点でこの投稿者にはそんな意識は皆無であろうが、ハンドルネームなど適当に命名すればいいだけのこと。
しかし、この辺りが実に、"あの男" らしいと言える。
そう──この動画を投稿したのは、ほかならぬ慎二だったのだ。
亜美が自殺を試みたあの日、慎二は地下室の監視カメラデータを抜き取っていた。
それをまさかこんな形で、ネット上に公開するとは──。
いくら亜美が慎二に服従した(かのように振舞った)とはいえ、あまりにも大胆で軽率な行動である。
おそらく慎二としては「自慢の性奴隷」を、全世界にひけらかしたかったのかもしれない。
亜美としては、この世界にこんな動画サイトがあることもたった今知ったばかりだ。
ましてや、自分の痴態を記録した動画にわざわざ金を払い、それを見て自慰にふけっている不特定多数の男がこの世に存在しているなど想像すらできない。
そしてなにより、その中の1人に光明学園の教師が居たという不運。
これらの事実は、亜美の脳が理解できる範囲を軽々と超えてしまっていたのだった。