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女ざかりの恋の音色は
第2章 初めの恋の音
ぐいぐいと人が押し寄せて、どんどん理志との距離が縮まる。
身体が重なりそうになり、芙実は思わず両手を理志の胸板に当てて押し返した。
Tシャツのせいでいつもより胸が目立つ気がして、隠そうとして前かがみになると、頭が理志の顔に近くなるしで、芙実はどうしたらいいのかわからず必死に理志の身体を離そうとした。
理志の筋肉質な身体が指先から感じられて、心臓の鼓動が更に早まる。
(だめだ・・・・・・!まずは外に出よう!)
「あの・・・・・・とりあえず外に出ませんか?」
そう言って身体を横にずらして理志の腕から抜け出そうとすると、理志が芙実の二の腕を掴んだ。
ひんやりとした指先が突然素肌に触れたので、驚いて体をビクッ!と震わせた。
理志の親指が二の腕の内側の柔らかな部分に押し当てられ、芙実は息を止めた。
「今出たら危ないよ。みんなが出てから、後から出よう」
言われて芙実は脱出を諦めたが、理志は腕を離さなかった。
「わ、わかりましたから・・・・・手、離してください」
「あ、ごめん」
パッと手が離れて、ホッとすると同時に少し寂しさを感じる。自分から離せと言っておいて勝手だなと思いながら、掴まれていた腕をさすった。
ただひたすら黙って人々が外へ出るのを待つ。
人がまばらになって、ようやく理志が芙実から離れた。
ライブハウスを出たところで声がした。
「理志ー。こっちこっち!遅いよ!」
理志とはまたタイプの違う、可愛らしい雰囲気の男が手を上げている。理志の友人のようだった。
「おお、悪ぃ」
芙実は理志と少し離れたところに立ってこんばんはと挨拶した。
「会社で一緒に働いてる人。偶然そこで会って」
理志がそう紹介すると、友人もペコっと頭を下げた。
「そうなんだ。どーも、西野っていいます」
「あ・・・・・樫野と申します」
(茶色いゆるふわな髪の毛に大きな丸い目・・・・・かわいい系男子?犬系男子?服もまたおっしゃれーなシャツ着て、おっしゃれーなパンツの履き方してるなぁ)
おしゃれ男子の友達はおしゃれ男子か・・・・・と芙実は心の中でこっそり疎外感を感じた。
身体が重なりそうになり、芙実は思わず両手を理志の胸板に当てて押し返した。
Tシャツのせいでいつもより胸が目立つ気がして、隠そうとして前かがみになると、頭が理志の顔に近くなるしで、芙実はどうしたらいいのかわからず必死に理志の身体を離そうとした。
理志の筋肉質な身体が指先から感じられて、心臓の鼓動が更に早まる。
(だめだ・・・・・・!まずは外に出よう!)
「あの・・・・・・とりあえず外に出ませんか?」
そう言って身体を横にずらして理志の腕から抜け出そうとすると、理志が芙実の二の腕を掴んだ。
ひんやりとした指先が突然素肌に触れたので、驚いて体をビクッ!と震わせた。
理志の親指が二の腕の内側の柔らかな部分に押し当てられ、芙実は息を止めた。
「今出たら危ないよ。みんなが出てから、後から出よう」
言われて芙実は脱出を諦めたが、理志は腕を離さなかった。
「わ、わかりましたから・・・・・手、離してください」
「あ、ごめん」
パッと手が離れて、ホッとすると同時に少し寂しさを感じる。自分から離せと言っておいて勝手だなと思いながら、掴まれていた腕をさすった。
ただひたすら黙って人々が外へ出るのを待つ。
人がまばらになって、ようやく理志が芙実から離れた。
ライブハウスを出たところで声がした。
「理志ー。こっちこっち!遅いよ!」
理志とはまたタイプの違う、可愛らしい雰囲気の男が手を上げている。理志の友人のようだった。
「おお、悪ぃ」
芙実は理志と少し離れたところに立ってこんばんはと挨拶した。
「会社で一緒に働いてる人。偶然そこで会って」
理志がそう紹介すると、友人もペコっと頭を下げた。
「そうなんだ。どーも、西野っていいます」
「あ・・・・・樫野と申します」
(茶色いゆるふわな髪の毛に大きな丸い目・・・・・かわいい系男子?犬系男子?服もまたおっしゃれーなシャツ着て、おっしゃれーなパンツの履き方してるなぁ)
おしゃれ男子の友達はおしゃれ男子か・・・・・と芙実は心の中でこっそり疎外感を感じた。