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女ざかりの恋の音色は
第2章 初めの恋の音
「樫野さん来てるの知ってたら、一緒に見たかったなぁ」

(いやいやいや、無理!それは無理!全然楽しめる気がしない!)

芙実の硬い表情を見て理志がクス・・・・・と笑った。
眼鏡をかけてない理志の目がまっすぐ自分に向いてドキリとする。

「私は一人で見たいですーって思ってる」
「あはは・・・・・・・」

芙実はむりやり笑顔を作って、後ずさった。

「じゃあ・・・・・・また・・・・・・・・」

さっさと帰ろうとする芙実のリュックを理志が掴む。

「いやいや、せっかく会えたんだし。そんな急いで帰らんでも。俺、友達と来てるんだけど、この後メシでもどう?」
「え!?いやー・・・・・。私、ライブの前に食べたので・・・・・・」

理志と二人だけでも無理なのに、友達も一緒にご飯なんて考えただけでも場違いすぎて疲れてくる。

ライブハウスの中でうだうだしていた人々が、係員に促されて一斉に出ようとしたため、理志は背中を押されて芙実と一緒に壁に押しやられた。

理志が芙実を守るように壁に手をつく。

(ち、近い~~~っ!)

距離が一気に近づいてしまった。理志がつけている香水の香りがしてドキリとする。
恥ずかしくて顔を上げられなかった。

「食べなくてもいいよ。一杯だけ飲んでこーよ」
「・・・・・いえ、私飲めないですし。ごめんなさい」

頑なに行こうとしない芙実を見て、理志は笑った。

「そんなに拒否らないでよ。傷つくなー」

芙実はハッとして頭を上げた。

「あ・・・・・・ごめんなさい。私・・・・・・その・・・・・・苦手で・・・・・・。初対面の人とご飯とか」

しどろもどろになって弁明する芙実を見て、理志は微笑んだ。

「じゃあ、二人で行こうよ」

理志の話し方が明らかに職場とは違って、親しみがこもっているように聞こえて心臓がドキドキする。

「そんなそんな、お友達に悪いです」
「いいのいいの、そういうの大丈夫なやつだから」


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