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女ざかりの恋の音色は
第4章 逸る気持ち
確かに、理志のような人間にとって、自分は変に意識しすぎに見えるだろう。
自分が、タイプの違う人間と仲良くなりたいと思うことがないから、理志もそうだと決め付けていた。

亜里沙も言ってたではないか。理志から新しい人間関係が広がって、良い出会いがあるかもしれないと。

うじうじしてないで、せっかく自分のような女に声をかけてくれているのだから、ありがたがるところなのだと思い直した。

「じゃ・・・・・・じゃあ、お願いします・・・・・・」
「仕方ないな~みたいな言い方するなぁ」
「そんなことないです。ほんとに・・・・・・」

(いいねえ!行こうよ!って、軽いノリで返せたらどんなにラクか・・・・・・)

芙実の胸はドキドキしていた。
今までの自分を考えたら思い切った行動だ。

「ほんと?じゃあ、決まり!夏フェスなんて久々だな~。楽しみー」

さ、行こうと言って、理志は歩き始めた。
芙実にとっては大事件でも、理志にとっては何てことない軽い約束事みたいだ。

先ほどの沈黙していた時の気まずさは消えたが、芙実の思ってない方向へと二人の関係が進んでいく気がして、芙実の胸の中は別の不安な気持ちが芽生えていた。

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