この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
女ざかりの恋の音色は
第4章 逸る気持ち
理志が何も返さないので、芙実は無理矢理続けた。
「あ・・・・・あとは、父親がビートルズマニアで・・・・・!子供のころからすごいビートルズ聴いてたので、好きになる土台はあったんだと思います」
理志は、へ~と答えただけで、その先は何も言ってこなかった。
芙実は続けるのを諦めた。
やはり自分と理志みたいな人とは話が合わないのかと落胆した。
しばらく沈黙で歩いていたが、駅が見えてきたところで理志が言った。
「次、何のライブに行くの?」
「次はしばらくないです。来月に野外フェス、茨城の。あれに行きます」
「ふーん・・・・・・。じゃ、俺も行く」
「・・・・・・・え!?」
「樫野さんと、一緒に行きたい」
ええーーーー!?という表情で理志を見上げる。
「そんな顔しないでよ」
「だって・・・・・・」
芙実はうつむいた。理志がなぜそんなことを言うのか理解できなかった。
「だって、わからないです。蒼井さんならフェスに一緒に行くお友達、たくさんいるでしょう?今日は私が行きたがってたの知ってたから誘ってくれたんだって、わかります。でも、夏フェスは・・・・・・。私と行っても楽しめないです。もったいないです」
「なんで?俺、今日すごく楽しかったよ。だからまた一緒に行きたいなって思ったんじゃん。樫野さんは俺と行って楽しくなかった?」
芙実は立ち止まって理志を見上げた。
理志の真剣な表情を見て、本気で言っていることが伝わり、うろたえる。
「た、楽しかったです・・・・・・。楽器のこと詳しいし、聞いててタメになるし・・・・・。でも、想像してみてください。真夏の太陽の下で、私と蒼井さんが弾けてるとか、しっくりきます?きませんよね?」
「まったく、頑固だなぁ・・・・・・。じゃあ、樫野さんの言うように、俺らジャンルが違うとして、仲良くなっちゃだめなの?違うタイプの人間とも仲良くなったっていいじゃん。なんか色々意識しすぎ」
自意識過剰だよと言われた気がして、芙実は少し恥ずかしくなった。
(・・・・・・・それも・・・・・そうか)
「あ・・・・・あとは、父親がビートルズマニアで・・・・・!子供のころからすごいビートルズ聴いてたので、好きになる土台はあったんだと思います」
理志は、へ~と答えただけで、その先は何も言ってこなかった。
芙実は続けるのを諦めた。
やはり自分と理志みたいな人とは話が合わないのかと落胆した。
しばらく沈黙で歩いていたが、駅が見えてきたところで理志が言った。
「次、何のライブに行くの?」
「次はしばらくないです。来月に野外フェス、茨城の。あれに行きます」
「ふーん・・・・・・。じゃ、俺も行く」
「・・・・・・・え!?」
「樫野さんと、一緒に行きたい」
ええーーーー!?という表情で理志を見上げる。
「そんな顔しないでよ」
「だって・・・・・・」
芙実はうつむいた。理志がなぜそんなことを言うのか理解できなかった。
「だって、わからないです。蒼井さんならフェスに一緒に行くお友達、たくさんいるでしょう?今日は私が行きたがってたの知ってたから誘ってくれたんだって、わかります。でも、夏フェスは・・・・・・。私と行っても楽しめないです。もったいないです」
「なんで?俺、今日すごく楽しかったよ。だからまた一緒に行きたいなって思ったんじゃん。樫野さんは俺と行って楽しくなかった?」
芙実は立ち止まって理志を見上げた。
理志の真剣な表情を見て、本気で言っていることが伝わり、うろたえる。
「た、楽しかったです・・・・・・。楽器のこと詳しいし、聞いててタメになるし・・・・・。でも、想像してみてください。真夏の太陽の下で、私と蒼井さんが弾けてるとか、しっくりきます?きませんよね?」
「まったく、頑固だなぁ・・・・・・。じゃあ、樫野さんの言うように、俺らジャンルが違うとして、仲良くなっちゃだめなの?違うタイプの人間とも仲良くなったっていいじゃん。なんか色々意識しすぎ」
自意識過剰だよと言われた気がして、芙実は少し恥ずかしくなった。
(・・・・・・・それも・・・・・そうか)