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女ざかりの恋の音色は
第6章 忘れてたキスの甘さ
理志が薬指のほくろを右手の中指で優しく何度も撫でる。
ぞくぞくしたものが指から走り、芙実は身体を硬くして黙った。

自分のほくろをエロいなどと思ったことはなかったのに、理志にそうやって撫でられた途端、性感帯になったみたいだった。

芙実の家に向かう道のりは、一日が終わってしまった寂しさで言葉が出なかった。
理志も何も言わずに歩いている。

(今日は楽しかったですね、また・・・・・・行きたいですね・・・・・・。’また’・・・・・は、止めたほうがいいかな・・・・・・)

芙実は別れの挨拶を頭の中で考えていた。
そうこうしているうちにマンションの前に着いてしまった。

「あ・・・・・・ここです」

芙実は手を離そうとしたが、理志は離さなかった。

「・・・・・・今日は、すごく楽しかったです。一緒に行ってくれてありがとうございました」

理志はゆっくりと芙実との距離を詰めて両手を芙実の腰に当てて引き寄せた。

屈んでそっとキスをする。
すぐに離れると思っていた唇は、深く合わさり、舌がヌ・・・・・・と差し込まれた。

「!!」

理志は驚いて離れようとする芙実の首の後ろに手をまわして強引に引き寄せた。

理志の舌が芙実の舌をなぞり、かき混ぜるように蠢く。

「んんっ・・・・・・・!」

理志の濡れた温かい舌に口内を刺激され、芙実の背中にぞくぞくしたものが走る。

チュク・・・・・・チュ・・・・・・レロ・・・・・・・

ぬるついた舌と舌が絡み合う。
徐々にキスが激しくなり、芙実の息が荒くなって、夜道に唇を合わせる音とハァハァという息遣いが響く。

「はぁっ・・・・・・んぅ・・・・・・蒼井さ・・・・・・・ぁ」

芙実は理志の背中にしがみつき、膝から崩れ落ちそうになるのを耐えた。

最後に下唇を強く吸って、理志の唇は離れた。

「・・・・・・ね、俺たち、付き合おうよ」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「何か言って」

理志が苦笑した。
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