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女ざかりの恋の音色は
第6章 忘れてたキスの甘さ
夕飯を食べに飲食店へ向かう時も、演奏を聴いている時も、理志は歯止めがきかなくなったように合間合間で軽いキスをしてくる。
あたりが暗くなると、どんどん時間が長くなり、回数も増える。
「あ、蒼井さん・・・・・・!ちょっと、その・・・・・・しすぎです!」
「誰も俺らのことなんか気にしてないよ」
「そうかもしれませんけど・・・・・・」
「舌入れるの我慢してるんだから、このくらい我慢してよ」
「!?」
芙実は赤面して身体を離した。
理志はにこっと笑って言った。
「しないよ。今は」
(い、今は・・・・・今は・・・・・・ってことは・・・・・・・)
芙実は動揺を隠すために眼鏡を外してハンカチで拭き、かけてはまた外して眼鏡を拭いた。
「何回眼鏡拭くの」
理志が笑う。
翻弄されることが多いが、一緒にいるのが楽しい。
一日が終わってしまう寂しさの強さが、理志への思いの強さを物語っていた。
最後のバンドが演奏を終えて、最大の盛り上がりを見せてフェスは終わった。
帰りの送迎のバスに乗るための長蛇の列も、東京へ帰るために乗る混んだ電車も、一人で来た時はあんなに忌々しいのに、全く苦じゃなかった。
電車では二人とも席があいて座ったとたん、眠気に襲われて寄りかかりあって眠った。
理志の肩にもたれて眠るのは最高に幸せな気分だった。
電車のアナウンスで目を覚ますと、理志は起きて芙実の手を握っていた。
「もうすぐ着くよ」
「あ・・・・・・はい・・・・・・」
芙実はズレた眼鏡を指で持ち上げた。
「このさ、薬指のほくろ」
理志は芙実の左手を軽く持ち上げて言った。
薬指の第一間接と第二間接の間の、小指側の側面に小さなほくろがあるのだ。
「エロいよね」
「エロ・・・・・・そう、ですか?・・・・・・」
電車に乗っている人はだいぶ少なくなったとはいえ、誰が聞いてるかわからない。
芙実は小さい声で答えた。
「家まで送る。もう遅いし」
「大丈夫です。蒼井さん、疲れたでしょう?遠回りになっちゃいますから。早く帰ってください」
「それ、本心なのか駆け引きなのか、どっち?」
「・・・・・・・?」
「少しでも一緒にいたいって言ってるの」
あたりが暗くなると、どんどん時間が長くなり、回数も増える。
「あ、蒼井さん・・・・・・!ちょっと、その・・・・・・しすぎです!」
「誰も俺らのことなんか気にしてないよ」
「そうかもしれませんけど・・・・・・」
「舌入れるの我慢してるんだから、このくらい我慢してよ」
「!?」
芙実は赤面して身体を離した。
理志はにこっと笑って言った。
「しないよ。今は」
(い、今は・・・・・今は・・・・・・ってことは・・・・・・・)
芙実は動揺を隠すために眼鏡を外してハンカチで拭き、かけてはまた外して眼鏡を拭いた。
「何回眼鏡拭くの」
理志が笑う。
翻弄されることが多いが、一緒にいるのが楽しい。
一日が終わってしまう寂しさの強さが、理志への思いの強さを物語っていた。
最後のバンドが演奏を終えて、最大の盛り上がりを見せてフェスは終わった。
帰りの送迎のバスに乗るための長蛇の列も、東京へ帰るために乗る混んだ電車も、一人で来た時はあんなに忌々しいのに、全く苦じゃなかった。
電車では二人とも席があいて座ったとたん、眠気に襲われて寄りかかりあって眠った。
理志の肩にもたれて眠るのは最高に幸せな気分だった。
電車のアナウンスで目を覚ますと、理志は起きて芙実の手を握っていた。
「もうすぐ着くよ」
「あ・・・・・・はい・・・・・・」
芙実はズレた眼鏡を指で持ち上げた。
「このさ、薬指のほくろ」
理志は芙実の左手を軽く持ち上げて言った。
薬指の第一間接と第二間接の間の、小指側の側面に小さなほくろがあるのだ。
「エロいよね」
「エロ・・・・・・そう、ですか?・・・・・・」
電車に乗っている人はだいぶ少なくなったとはいえ、誰が聞いてるかわからない。
芙実は小さい声で答えた。
「家まで送る。もう遅いし」
「大丈夫です。蒼井さん、疲れたでしょう?遠回りになっちゃいますから。早く帰ってください」
「それ、本心なのか駆け引きなのか、どっち?」
「・・・・・・・?」
「少しでも一緒にいたいって言ってるの」