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我が運命は君の手にあり
第2章 第二章
季節の花を中心に、品よく華やかに生けられた作品が並んでいる。南天や桔梗ラン、雲竜ヤナギにダリアなど、花器の上で表情を変えた花たちが、訪れる人の目を楽しませている。

「ようやく最終日ね」
「あぁ、なかなかの評判らしいけど、この先はどうなるかわからないぞ」

手洗いをすませてきた遼の耳に、給湯室で話す若いスタッフの声が聞こえる。

「あの噂本当なの?」
「本当さ、来年の四月らしいよ」
「いよいよね。イケメンの遼さんが家元になったら、若い生徒さんがたくさん集まりそう。やだ、ライバルが増えちゃう」
「ばーか、家元は顔だけじゃだめなんだよ」

彼は足を止め、二人の話に聞き耳を立てた。

「あら、実力だって認められてるじゃない」
「もちろんそうだけど、俺に言わせると何かが足りない」
「なによ」
「大胆さ……かな」
「はっ、なによ偉そうに。でも、いいとこついてるかも」
「だろ? 遼さんまだ若いし、今のお家元のようにはなかなか……」
「ふむ、なるほどね、肝に銘じるよ」

遼の声に、二人はぎょっとして肩をすくめた。


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