この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
我が運命は君の手にあり
第5章 第五章
菓子折りを受け取った守沢は、奥の給湯室へ入っていった。

「秋津さん、車で送るよ。雨が降ってきた」
「いえ、駅まですぐですから……」
「でも電車を降りたら、雨の中を家まで歩くんでしょ?」

部下に接しているとは思えない気軽さだった。

「あの、今日は祖母の所に行くので遠いですし……」
「じゃあそこまで送るよ。今日は思ったより早くカタがついて暇ができたんだ。婚約パーティーの依頼を受けてね。出来る限り華やかにしてくれとのご要望にきっちりと応えてきた」

屈託のない笑顔だった。少し照れたようなその顔が冴子は苦手だった。憂いのない表情は、恵まれた環境で育った人間だけが持つ明るさだった。
早くに母親を亡くしたと聞いたが、この人は恵まれた環境で生きてこられた。
自分とは全く違う。

「あら、それならちょうどいいじゃない、送ってもらいなさいよ。冴子さんて遠慮し過ぎなのよ。ここへ来てもう半年でしょ? 仕事にも慣れてきたんだから、そろそろ人にも慣れなさい、私みたいに図々しくなれとは言わないけどね、あははは」

五十半ばの守沢は、歯に衣着せぬ物言いではあるが嫌味がなく、ふくよかな体型と柔和な顔で周囲を和ませるのが常だった。



/334ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ