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我が運命は君の手にあり
第5章 第五章
冴子は断る術をなくした。
「では、よろしくお願いします」
「うん。車は表に停めてあるからすぐ行こう」
遼がさっそくドアを開いた。
「あの、直美さんは?」
「私? 置き傘があるし、スーパーに寄って帰るからお気遣いなく」
守沢は事務机の横にさがっていた折り畳み傘を手に取った。
「そうですか。では、お先に失礼します」
「また明日ね」
「それじゃ直美さん、戸締まり宜しくー」
「はいはい、わかってますよ、お疲れ様でした」
雨足が強くなっていた。歩道を行く者達が足早に過ぎる。先にビルを出た遼が助手席のドアを開け、「秋津さん」と手招きした。冴子は戸惑ったが、雨に濡れて立つ遼を見て急いで乗り込んだ。
「すみません、ありがとうございます」
「いいさ、閉めるよ」
彼がドアを閉じ、車道を確認して運転席におさまるまで、冴子は目を離さなかった。
すらりとした体型にはスーツがよく似合う。洗練された容姿と軽やかな動きが、冴子の目に眩しく焼き付いた。
「では、よろしくお願いします」
「うん。車は表に停めてあるからすぐ行こう」
遼がさっそくドアを開いた。
「あの、直美さんは?」
「私? 置き傘があるし、スーパーに寄って帰るからお気遣いなく」
守沢は事務机の横にさがっていた折り畳み傘を手に取った。
「そうですか。では、お先に失礼します」
「また明日ね」
「それじゃ直美さん、戸締まり宜しくー」
「はいはい、わかってますよ、お疲れ様でした」
雨足が強くなっていた。歩道を行く者達が足早に過ぎる。先にビルを出た遼が助手席のドアを開け、「秋津さん」と手招きした。冴子は戸惑ったが、雨に濡れて立つ遼を見て急いで乗り込んだ。
「すみません、ありがとうございます」
「いいさ、閉めるよ」
彼がドアを閉じ、車道を確認して運転席におさまるまで、冴子は目を離さなかった。
すらりとした体型にはスーツがよく似合う。洗練された容姿と軽やかな動きが、冴子の目に眩しく焼き付いた。