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我が運命は君の手にあり
第7章 第七章
ようやく開かれた冴子の瞳から涙が零れ落ちた。何が悲しいのか、それとも怖いのか。理解し難い気持ちをほぐそうと、その額に唇を落とした。
「ごめんなさい」
目には葛藤の色が浮かんでいた。両手で頬を包み、そっと口づけた。
「俺を好き?」
はらはらと零れ落ちる水滴が、過去に受けた傷を洗い流しているかのようだ。
「私、私、ごめんなさい、ごめんなさい……」
彼女が愛しい。
彼女は少女のように怯えている。ずっと遠ざけてきたであろう男の手が触れる事に。
冴子……
「謝らなくていいんだ。落ちついて、大丈夫、俺に任せて、大丈夫だから」
ふっくらとした唇を押し開けて再び舌を差し込むと、遠慮がちな舌先に触れた。許された喜びに感動した彼は、激しく絡みついてその舌を吸った。
「俺を拒まないで」
帯締めをほどこうとする遼の手を抑え、冴子は自ら帯をほどいた。覚悟を決めたようだった。ふわりと床に落ちた着物をソファに掛け、長襦袢をするりと脱いだ。その身のこなしは舞っているように美しく妖艶で、彼の心を燃やすには充分だった。
一枚の肌襦袢だけが残った。
「一夜限りに……」
切ない訴えが胸に響いた。
「そ、そんなつもりはない」
「ごめんなさい」
目には葛藤の色が浮かんでいた。両手で頬を包み、そっと口づけた。
「俺を好き?」
はらはらと零れ落ちる水滴が、過去に受けた傷を洗い流しているかのようだ。
「私、私、ごめんなさい、ごめんなさい……」
彼女が愛しい。
彼女は少女のように怯えている。ずっと遠ざけてきたであろう男の手が触れる事に。
冴子……
「謝らなくていいんだ。落ちついて、大丈夫、俺に任せて、大丈夫だから」
ふっくらとした唇を押し開けて再び舌を差し込むと、遠慮がちな舌先に触れた。許された喜びに感動した彼は、激しく絡みついてその舌を吸った。
「俺を拒まないで」
帯締めをほどこうとする遼の手を抑え、冴子は自ら帯をほどいた。覚悟を決めたようだった。ふわりと床に落ちた着物をソファに掛け、長襦袢をするりと脱いだ。その身のこなしは舞っているように美しく妖艶で、彼の心を燃やすには充分だった。
一枚の肌襦袢だけが残った。
「一夜限りに……」
切ない訴えが胸に響いた。
「そ、そんなつもりはない」