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我が運命は君の手にあり
第9章 第九章
「だからなんだよ。そんな事は俺と結婚したら全部解決するじゃないか」
冴子はくすりと鼻で笑い、諭すような口振りで言った。
「お家元、わかっていますか? 誰もが、ゆくゆくはお家元が咲さんと結婚する事を望んでいます。私もこんなに自然で理想的なご縁はないと思います。皆に祝福されて両家が結ばれれば、染井流の未来は約束されるんです。なのに……、染井流を背負って立つお家元が、いったい誰に向かって……」
「大丈夫だ、綾辺さんはビジネスと私事は分けて考える人だよ。それに、みんなにはちゃんと話すよ。反対されても説得する自信があるし乗り越えられる。俺は冴子しか考えられないんだ、真面目に考えてる。俺は、俺は咲ちゃんを愛せない」
必死に説得する遼の胸を冴子が強く押した。
「……私もあなたを愛せない」
それは不思議なほど落ち着いた口調だった。
「嘘だ……」
彼は乳房を鷲掴みにして乳首に吸い付き、女陰をまさぐった。けれどそこは悲しく湿っているだけで、指を浸してもすぐに渇いた。
「君は嘘つきだな」
彼はベッドから下り、冴子を見下ろしながら服を着た。
「何を言われようと俺の気持ちは変わらない」
彼はそう言って静かに部屋を出た。
冴子はくすりと鼻で笑い、諭すような口振りで言った。
「お家元、わかっていますか? 誰もが、ゆくゆくはお家元が咲さんと結婚する事を望んでいます。私もこんなに自然で理想的なご縁はないと思います。皆に祝福されて両家が結ばれれば、染井流の未来は約束されるんです。なのに……、染井流を背負って立つお家元が、いったい誰に向かって……」
「大丈夫だ、綾辺さんはビジネスと私事は分けて考える人だよ。それに、みんなにはちゃんと話すよ。反対されても説得する自信があるし乗り越えられる。俺は冴子しか考えられないんだ、真面目に考えてる。俺は、俺は咲ちゃんを愛せない」
必死に説得する遼の胸を冴子が強く押した。
「……私もあなたを愛せない」
それは不思議なほど落ち着いた口調だった。
「嘘だ……」
彼は乳房を鷲掴みにして乳首に吸い付き、女陰をまさぐった。けれどそこは悲しく湿っているだけで、指を浸してもすぐに渇いた。
「君は嘘つきだな」
彼はベッドから下り、冴子を見下ろしながら服を着た。
「何を言われようと俺の気持ちは変わらない」
彼はそう言って静かに部屋を出た。