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我が運命は君の手にあり
第9章 第九章
彼は冴子の愛を確信していた。彼女が全てを曝け出せるのは俺の前だけだ。俺も同じ。彼女を幸せにする自信がある。もっと力をつけて、染井流の華道を世間に認めさせる。俺と結婚すれば生活の不安は一切なくなり、一生幸せに生きてゆける。
「冴子、あとで指輪を選びに行こう」
首筋に舌を這わせ、乳房を揉みしだいた。
「り、遼さん……私、結婚は出来ません」
耳を疑った。
「え?」
冴子は少し微笑んだ。
「結婚出来ないって?」
「はい」
「なんで……」
萎えていくのがわかった。数秒前までの昂りが途切れ、だらりと力を失った。
「誰の事も愛せないからです。今までも、これからも」
「なぜそんな嘘を」
「嘘なんか言いません。私は親に捨てられ、ずっと暗い感情を抱えて生きてきました。こんな幸せが続くなんて信じられないし、全てを疑っていて、自分の立ち位置だけを守ろうと必死です。騙されるのではないか、奪われるのではないか。私は誰に対しても……」
「冴子、あとで指輪を選びに行こう」
首筋に舌を這わせ、乳房を揉みしだいた。
「り、遼さん……私、結婚は出来ません」
耳を疑った。
「え?」
冴子は少し微笑んだ。
「結婚出来ないって?」
「はい」
「なんで……」
萎えていくのがわかった。数秒前までの昂りが途切れ、だらりと力を失った。
「誰の事も愛せないからです。今までも、これからも」
「なぜそんな嘘を」
「嘘なんか言いません。私は親に捨てられ、ずっと暗い感情を抱えて生きてきました。こんな幸せが続くなんて信じられないし、全てを疑っていて、自分の立ち位置だけを守ろうと必死です。騙されるのではないか、奪われるのではないか。私は誰に対しても……」