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我が運命は君の手にあり
第11章 第十一章
春の花展最終日の夜、焼肉屋での食事会で腹を満たしたスタッフ一同は、その後一旦解散し、若手だけの二次会となった。
遼はせめて食事会だけでもと冴子を誘ったが、彼女は今回も祖母を理由に参加しなかった。
男性スタッフが、運ばれてきた酎ハイを受け取り、隣の同僚に手渡しながら呟いた。
「そういえば、秋津さんて打ち上げに来たことないよね」
「そうなんだよ。俺ちょっと興味あるんだけど」
「え、お前年上が好み? まぁたしかに、謎めいてて気にはなるな」
「受付けに立つ着物姿いいよなー」
周囲の雑音と酔いのせいで声が大きくなっていた。
「ふーん、私達には興味なしって事ですね、別にいいですけど」
「謎めいてなくてすみません」
事務局の仕事にすっかり慣れた野田いずみと糸川舞が口を尖らせた。
「あ、いや、今のは……」
「いいんです。私達は若さだけで勝負しますから、ねー、糸川さん」
「え、私達って若さだけ?」
そこ笑いが起き、遼は彼ら付き合いながらも時計を気にしていた。
「お家元、あの方じゃないですか?」
野田いずみが店の入口を指差した。
遼はせめて食事会だけでもと冴子を誘ったが、彼女は今回も祖母を理由に参加しなかった。
男性スタッフが、運ばれてきた酎ハイを受け取り、隣の同僚に手渡しながら呟いた。
「そういえば、秋津さんて打ち上げに来たことないよね」
「そうなんだよ。俺ちょっと興味あるんだけど」
「え、お前年上が好み? まぁたしかに、謎めいてて気にはなるな」
「受付けに立つ着物姿いいよなー」
周囲の雑音と酔いのせいで声が大きくなっていた。
「ふーん、私達には興味なしって事ですね、別にいいですけど」
「謎めいてなくてすみません」
事務局の仕事にすっかり慣れた野田いずみと糸川舞が口を尖らせた。
「あ、いや、今のは……」
「いいんです。私達は若さだけで勝負しますから、ねー、糸川さん」
「え、私達って若さだけ?」
そこ笑いが起き、遼は彼ら付き合いながらも時計を気にしていた。
「お家元、あの方じゃないですか?」
野田いずみが店の入口を指差した。