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我が運命は君の手にあり
第11章 第十一章
「あぁ、いらしたようだ」

遼は立ち上がって入口に向かい、一人の男を連れて戻ってきた。

「紹介します。この方がライターの益田さんです。やっとご本人登場だよ」

スーツ姿で現れた益田は、礼儀正しく頭を下げた。

「初めまして、益田と申します。今後、取材で皆さんの職場にお邪魔する事があると思いますが、どうぞよろしくお願いします」

今後の成り行きを楽しみにしている彼らは、頬を紅潮させて握手を交わした。
今年に入ってから、遼は益田と何度か会っていた。嫌味がなく、聞き上手なこの男にすっかり心を許した彼は、ごく内輪の集まりにもこうして招待した。

遼の隣に座り、他愛ない会話で場に馴染んできた彼は、次はぜひ花展を取材したいと申し出た。

「あのぅ、写真も撮るんですか?」

糸川舞が身を乗り出した。

「はい、カメラを持っていきますので生け花はもちろん、師範の方々をはじめ、スタッフの皆様も撮らせて頂きたいです」

「お家元、今度の花展、私達も会場に行っていいですか?なんでもお手伝いします」

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