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我が運命は君の手にあり
第11章 第十一章
車を走らせ、ホテル関係者との会食へ向かった。もちろん綾部とも顔を会わせるが、彼の紹介で増える人付き合いは勉強にもなった。面倒な相手もいるが取り入る自信はある。冴子の為なら笑ってピエロになろう。益田がやっているじゃないか、なんて事はない。

いつかは柵(しがらみ)をものともせず、公の前で冴子を娶(めと)り、ゆくゆくはあの家で共に暮らす。俺達は父となり母となる。そうなれば誰もが祝福してくれる、みんなついてくる。
すでに親父の出る幕はない、そのまま隅で小さくなっててくれ。俺は自由にやれる。家元は俺なんだ。

遼は新たな覚悟を胸に秘め、意気揚々と料亭に入っていった。






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