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我が運命は君の手にあり
第12章 第十二性
「処分してください。あなたに嘘はなさそうだ」

「ありがとうございます」

「あなたが僕のカメラに収まる事はないんですね」

「はい。……二人をたくさん撮ってください」

「……いろいろと失礼な事を言って申し訳ありませんでした」

髪を撫でる温い風が、夕暮れと雨の匂いを運んできた。

「あなたは、彼を愛しているんですね」

「……いいえ、愛した事なんて一度もありません」

「……僕が覚えておきますよ」

その顔はどこか寂しげで、咲の名を口にした時の表情と同じだった。

「もしかして、あなたは咲さんを……」

「は? まさか。僕なんか気持ち悪いだけのおっさんでしょ、ははっ。ではここで失礼します、お疲れ様でした」

「ありがとうございました。さようなら」

冴子は、車が見えなくなるまでそこに立っていた。

(ままならない事ばかり)

そう思って生きてきた。立場は違っても、誰もが同じ思いで生きている。
冴子は染井との別れを決めた。一切を清算しなければならない。すべてを失ったところで、元の生活に戻るだけだ。でも彼は、彼は違う。彼との未来を担えるのは咲だ。私ではない。私に残された役目は、ここを去る事。








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