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我が運命は君の手にあり
第14章 第十四章
ひと月に二回となった信子との面会は、日々弱っていく老人の姿をつぶさに見せつけた。目に力がなくなり、表情は乏しくなった。

「足が弱ると寝たきりになるのが早いんです。信子さんもご高齢ですし」

職員の言葉に頷きながらも、冴子は、祖母が急に衰えた原因は自分にあると自覚していた。


「さえちゃん、染井の旦那様はお元気?」

「うん、元気だよ」

孫の服装や髪型が以前と変わったのを信子が見逃す筈はなく、ある日、つやのない冴子の爪を眺めてため息をついた。

「旦那様のところを辞めたのかい」

「……黙っててごめんね。いろいろあったの……でもおばあちゃんは何も心配しなくていいよ、ずっとここで暮らせるから安心して」

「そうかい。染井の旦那様には足を向けて眠れないよ」

半年前にそう言って以来、笑顔は減り、口数も少なくなった。同年齢の入居者よりも元気で明るかった信子は、目に見えて老け込み、近頃はベッドの上で一日を過ごすようになっていた。

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