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我が運命は君の手にあり
第14章 第十四章
折り紙も編み物も、引出しに収まったまま忘れられている。食は細くなり、下の世話が必要になっていた。

「よく噛んでね」

柔らかく煮た人参をスプーンで口に運び、唇から垂れた煮汁をガーゼで拭った。

「すみません、ありがとうございます。あぁ、もうお腹いっぱい。いつもおいしいご飯をありがとうございます」

「おばあちゃん、もう少し食べようよ。ほら、あとひと口」

「そろそろ帰らなくちゃ。息子の省吾がね、お腹を空かせて待ってるんですよ」

信子は共に暮らした孫を忘れ、とうに亡くなった我が子を心配した。

「失礼します。信子さんお食事はすみましたか?食後のお薬飲みましょうね」

介護士の小山が入ってきた。

「もうお薬は結構です。お腹いっぱい。そろそろ帰ります」

「あらまぁそんなこと言わずに……お薬飲んだら、私がお家まで送って行きますよ、ね?」

「そう?しょうがないわねぇ」

「小山さん、いつもありがとうございます」

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