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甘い瞬間まで待っていて
第6章 縛り
響也が私にどれだけの恨みがあるか分からない。

言葉を選んでしまう自分がいる。

父が横領して家族がバラバラになったと聞いた。

母も父も離れていく辛さは私には分からない。

悠妃の場合、脳梗塞で亡くなった父が

理解者でもあったのだ。

父でも母には逆らえずいつも口喧嘩では

すぐに負けていたのだ。

だから悠妃の母に響也が

「そんなに怒らないで」と

庇ってくれて言ったのはとても嬉しかったのだ。



響也以外の人を好きになればいいだけなのに。

今頃になって気になって仕方ない。

近くて仕事していると

貴方の魅力に引き込まれていく。

覚悟してた筈なのに

響也は私にあの時の恨みがあって此処にいる。

私に恋愛感情なんて無い。

それなのに

彼女ができた途端こんなにショック受けるなんて。

高校生の恋愛じゃあるまいし。

情けない気がした…
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