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黒い雨
第8章 下宿魔
「けんいちろう!!何だそのイヤそうな表情は!!オドレはオレをグロウしているのか!!」
「グロウしていないよぉ…」
「けんいちろう!!オドレ!!」
「あなたやめて…」
「かすみは横から入ってくるな!!」
「あなた、どうしてけんいちろうくんに八つ当たりばかりをするのよ…けんいちろうくんに何の落ち度があると言いたいのよ!?」
「落ち度があるから怒っているのだ!!」
「あなた!!」
「だまれ!!だまれと言うのが聞こえないのか!!」

かつのりは、ひと間隔を置いてからけんいちろうを怒鳴ったのでありました。

「けんいちろう!!おじさんはこれからけんいちろうのためを思って強烈な声で言わせてもらうから…けんいちろう…オドレはどこのどこまでクソアホンダラ何だ!!おじさんの家のおカネを使って公立高校から松山大学ヘ行って華のキャンパスライフを送って人のコネで市役所に就職をしたことが気に入らない!!」
「おじさん!!」
「黙って話を聞きなさい!!」
「やかましいだまれはオドレだ!!」
「けんいちろう!!」
「あなたやめて!!」
「かすみ!!かすみが甘やかすだけ甘やかしたのでひさとが大学ヘ行けなかったのだ!!けんいちろう!!」
「あなたやめて!!」

かつのりは、怒り心頭になっていましたので居間を出て台所へ行きまして、冷蔵庫の中から瓶ビールを出しましてごくごくとのんでいました。

話し合いができなくなってしまったどうしようと思っていましたかすみは、けんいちろうに困った表情でこう言いました。
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