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嫁の貸し出し始めました
第24章 揺れる心は突然に…。
孝と静香は
駅から自宅への帰り道
肩を並べて歩いた。


普段のグリーンマートの
パートでの静香しか知らない孝には
普段より少し
メークを整えている静香に
『宮部さんの今日のお出かけ姿。とても素敵です』と
静香の気持ちを害さないように
そう言葉を選び話しかけた。



キュン…キューン!!
普段、年の離れた旦那からは
言ってもらえない言葉に
思わず静香は
ドキンとして
ついさっきの電車のなかでの
孝のズボンの股間の膨張を思い出して
頬を赤らめてしまった。


静香は
『主任こそ、せっかくのお休みなのに、お一人でお出かけだったんですか?奥様とご一緒じゃあなかったんですか?』と
つとめて頬の紅潮を
気づかれないようにさり気なく
そう孝に尋ねた。


孝は
『あっ…。うん、出かけるときは実は一緒だったんだけど、嫁を、今………、あ…嫁が今…、ちょっとした用を済ませていて、先に帰るように言われたからね…。』
と思わず
嫁を今貸し出ししてるんで………
と答えそうになり
焦りながら
そう言って誤魔化した。


静香は
『………あのぉ…。主任。せっかくこうして帰り道ご一緒できたのも、なんだか縁があると思うんで、まだ夕飯の時間までには間があるし… ………お茶しません?』と
精一杯の勇気を出して
孝を誘ってみた。
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