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せめて、今夜だけ…
第7章 夜明けのコーヒーを
いつから?
魚月を抱いたあの夜から?
いや、違う…。
初めて会った日。
魚月が俺の手を振り払ったあの瞬間。
あの目で俺を射抜いた瞬間から
俺は魚月に惹かれていたんだ。
魚月の事を、心底…。
しかし
「魚塚さん…」
やっと…、やっと自分の気持ちに気づいたのに…
あの夏の日に感じた、脆くも幸せな気持ちに似た恋心。
なのに、目の前にいるこの女は…
「ありがとうございました…」
俺のものじゃない。
こんなに想っていても、この女は誰かのものになってしまう。
俺のものには、なってくれない。
「なつ…」
冷たい風が魚月の髪を優しくとかしていく。
その風は、優しくふわりと吹き抜けて行くのに、肌を刺すように冷たい。
まるで、これ以上魚月に近づくなと言わんばかりに。
そう思うと、魚月の名前を呼ぶ声にも戸惑いが滲む。
「………あ」
優しく頬笑む魚月を引き止めたくて声をかけようとするが、声が出ない。
何と声をかければいいかもわからない。
「お元気で」
「――――――――っ!!」
伏し目がちになった魚月は俺の目の前で踵を返す。
ふわりと香る魚月の髪の香り。
そして一歩、また一歩と俺から離れて行く。
「待っ―――――……っ!」
魚月を抱いたあの夜から?
いや、違う…。
初めて会った日。
魚月が俺の手を振り払ったあの瞬間。
あの目で俺を射抜いた瞬間から
俺は魚月に惹かれていたんだ。
魚月の事を、心底…。
しかし
「魚塚さん…」
やっと…、やっと自分の気持ちに気づいたのに…
あの夏の日に感じた、脆くも幸せな気持ちに似た恋心。
なのに、目の前にいるこの女は…
「ありがとうございました…」
俺のものじゃない。
こんなに想っていても、この女は誰かのものになってしまう。
俺のものには、なってくれない。
「なつ…」
冷たい風が魚月の髪を優しくとかしていく。
その風は、優しくふわりと吹き抜けて行くのに、肌を刺すように冷たい。
まるで、これ以上魚月に近づくなと言わんばかりに。
そう思うと、魚月の名前を呼ぶ声にも戸惑いが滲む。
「………あ」
優しく頬笑む魚月を引き止めたくて声をかけようとするが、声が出ない。
何と声をかければいいかもわからない。
「お元気で」
「――――――――っ!!」
伏し目がちになった魚月は俺の目の前で踵を返す。
ふわりと香る魚月の髪の香り。
そして一歩、また一歩と俺から離れて行く。
「待っ―――――……っ!」