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せめて、今夜だけ…
第9章 天使と悪魔
魚月にあんな恥ずかしい台詞を散々吐かせた癖に、俺の欲望はまだ満足していないようだ。
いや、満足させるつもりだったのに、魚月の反応が俺を更に興奮させ支配欲を刺激して来る。

魚月の反応が可愛くて、それが余計に嫉妬心を煽って来るのだ。

「罰を受けてもらう必要があるな」
「私、ちゃんと…」

脱ぎ捨てたスーツの内ポケットからスマホを拾うと、カメラを作動させていく。

悪いけど、魚月との関係を切りたくないんでね。




――――――カシャ。





「ちょっ…」

徐々に意識がハッキリしていく魚月。
その意識が戻る前に、その微睡んだ表情をカメラに収めていく。


カシャ、カシャ…。



「やめてっ!やだ…っ」

顔を反らして抵抗しても、魚月のあられもない体を収めていく。
破れた服に胸元、スカートを捲り上げられた足。

「ほら、こっち向けよ」

魚月の顎を掴んでカメラの方を向かせてその表情を全て拾って行った。

「やめてっ!撮らないでっ!!」

数枚ほど収めたところでスマホを直し、魚月の自由を奪っていた両手のネクタイをほどいてやった。
きつく縛ってたせいで魚月の両腕にはネクタイの痕がハッキリと残っていた。

「そんな服とそんな腕じゃ今日は婚約者には会えないな」



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