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第10章 溺れる魚達

部長と社長が俺に用事？
一体何の用だと言うのだ？









まさか…







―――――――ドクンッ！







俺の心臓が一気に凍りつく。




キーボードを打つ指が止まり、額には嫌な汗が滲んでいる。
しかし、今ここで動揺してるところを見せられたら桐谷に怪しまれてしまう。

「へぇ…。一体何の用だろうな…」

小さく深呼吸して気持ちを落ち着かせながら、震える声で桐谷に尋ねた。

「さぁ。そこまでは聞かされてねぇよ。ただお前に伝えてくれって言われただけだから」





まさか…
魚月との関係がバレた？
それで婚約者が乗り込んで来たのか？

魚月が…、バラしたのか…？





もし、そうだとしたら…

「どうした、魚塚…」
「………………。」






―――――――――。






「何でもない…」






凍りついた俺の心臓が一気に脈打ち出した。
それは、まるで開き直りにも似た感情。