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せめて、今夜だけ…
第11章 罰は蜜の味
この場は先輩に合わせて俺は何も言わないでおこうと思い適当に愛想笑いを浮かべながら食事に集中することに。
いくら無礼講と言えど魚月の前でそんな話しはなるべくしたくない。

すると

「でも、こうやって見ると安西さんと魚塚さんってお似合いですよね」








―――――――な…っ!

「ゲホッ、ゲホッ…」

翔太のその発言に、俺は思わずむせこんでしまった。
何言ってんだ、こいつ!

「ちょ、魚塚君…、大丈夫!?」
「あ、はい…っ。失礼しました…」

テーブルのナプキンで口元を押さえながら必死に呼吸を整える。
いきなりむせこんでしまったせいで先輩が心配そうに俺の背中を軽く撫でてくれた。
まさかの発言に俺の心臓が爆発しそうになる。

しかし、俺の気持ちを無視しながら翔太は続ける。

「美男美女でキャリア組みなんて、素敵な組み合わせじゃないですか」

翔太…、この男は悪気なく言ってるんだろうか?
それとも、俺と魚月の関係を怪しんで、魚月から遠ざける為に俺と先輩をくっつけようとしているのか?
魚月に見せつける為か?

「魚月もそう思うだろ?」

翔太は魚月にまで同意を求めている。
寄りにも寄って、魚月にだけは聞いて欲しくなかった。

「そ、そうですね…。本当に…」

俯きがちに震える声で魚月も翔太に同意している…。



この状況なら同意するしかないだろうな。
魚月が翔太に口答え出来ないのは知ってはいるが…
焦りや気まずさより、イライラがおさまらない。


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