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せめて、今夜だけ…
第12章 蛹、羽化の時
「魚月…」
体制を前に倒し、魚月の唇に近づいた。
愛しいと想う気持ちが止まらない。
「さ、触らないで…」
「……っ?」
今にも消え入りそうな声で魚月が抵抗した。
ここまでされてもまだ人格を保ってるという事に驚いた。
昨夜はあんなに簡単に壊れてくれたというのに。
「まだ理性はあるみたいだな」
「……腕が」
魚月のその一言で魚月の腕を見ると、手錠をかけられている腕から微かな出血があった。
恐らく暴れている最中に皮膚と手錠が擦れて切ってしまったのだろう。
その痛みのせいで正気を保っていられたのだろう。
「…後で消毒してやる。これぐらいの傷なら綺麗に治る」
さすがにここまで鬼畜に成り下がった俺でも、好きな女が怪我をしてるところなんて見たくないし興奮もしない。
しかもこの怪我は、こんな手錠で魚月を拘束した俺のせいでもある。
真っ白な魚月の肌に赤い鮮血が目立って余計に痛々しく感じる。
「ど…、して…?」
「ん?」
呼吸を整えながら、虚ろな瞳で魚月が俺に話しかけてきた。
小さく消え入りそうな魚月の言葉を俺は必死に、聞き漏らさないようにと耳を澄ませる。
「ど、して…、こんな、事…」
どうしてこんな酷いことをするのか?と、魚月の瞳が俺にそう語りかけている。
言葉は足りなくても、魚月の涙と瞳がそう俺に訴えている。
体制を前に倒し、魚月の唇に近づいた。
愛しいと想う気持ちが止まらない。
「さ、触らないで…」
「……っ?」
今にも消え入りそうな声で魚月が抵抗した。
ここまでされてもまだ人格を保ってるという事に驚いた。
昨夜はあんなに簡単に壊れてくれたというのに。
「まだ理性はあるみたいだな」
「……腕が」
魚月のその一言で魚月の腕を見ると、手錠をかけられている腕から微かな出血があった。
恐らく暴れている最中に皮膚と手錠が擦れて切ってしまったのだろう。
その痛みのせいで正気を保っていられたのだろう。
「…後で消毒してやる。これぐらいの傷なら綺麗に治る」
さすがにここまで鬼畜に成り下がった俺でも、好きな女が怪我をしてるところなんて見たくないし興奮もしない。
しかもこの怪我は、こんな手錠で魚月を拘束した俺のせいでもある。
真っ白な魚月の肌に赤い鮮血が目立って余計に痛々しく感じる。
「ど…、して…?」
「ん?」
呼吸を整えながら、虚ろな瞳で魚月が俺に話しかけてきた。
小さく消え入りそうな魚月の言葉を俺は必死に、聞き漏らさないようにと耳を澄ませる。
「ど、して…、こんな、事…」
どうしてこんな酷いことをするのか?と、魚月の瞳が俺にそう語りかけている。
言葉は足りなくても、魚月の涙と瞳がそう俺に訴えている。